昨日は2年5ヶ月の記念日


普段は記念日なんて気にしない。
年単位ですら大したことはしない。


ましてや「何ヵ月」なんて、そんな些細なものはお祝いしたり意識したことはない。



でも、今回だけは特別なの。





大地の前の彼女は、大地と2年4ヶ月間つき合った。
それが、彼が一番長くつき合っていた年月で。
その人が、大地にとって一番長い恋人だった。



もちろん、今は私を大切にしてくれてるし、前の人を引き合いに出したりはしないけれど。



……でも、やっぱり気になっていたんだろうね。
心のどこかで、意識していた。



「2年4ヶ月」



それが、頭に焼きついて離れなかったから。





結婚話が出て、いつにするかと話してたとき。
私はこの年月を越えてからじゃなきゃ嫌だと思った。



「『一番』になってからいい」



そんな欲深い願望を抱いて。
それで、結婚するまでまだ猶予があるわけだけれど。



大地にとっては些細なこと。
でも私にとっては特別なこと。



私の我が儘を、大地は知らない。
知らなくていい。
こんな女のどうでもいい意地は、知らない方がいい。




ただただ純粋に、彼の一番になりたかったんだ。
ただ、それだけのこと。