モノクロトウキョー

どうしよう｡




初めて､




初めて､あなたの過去に嫉妬したよ｡



どうしようもないことだから｡
過去は変えられないから｡
それに､あなたが私をとてもとても大切にしてくれているから｡

だから今までは気にしなかったのに｡



ふとした瞬間に過去を感じて｡
とても満たされているはずなのに､とても切なくなったのです｡


あなたと体を重ねたのは､私だけじゃない｡
あなたと愛を交わしたのは､私だけじゃない｡



その事実が､重くのしかかって｡




気持ちのいいところを攻められ快楽に溺れそうになりながら､




感じたのは､切なさ｡

大地のところからの帰路です｡
この３日間は､本当に幸せだった｡



いっぱい一緒にいれたし､いっぱいあなたの気持ちを聞けた｡





私がどれだけ愛されているか､わかったよ｡






それと同時に､痛いくらい胸が締めつけられた｡




それは純粋な幸せの痛みだけじゃなくて｡

もし､女性のタイプを太陽と月に分けるとしたら｡



太陽のように光輝き､愛する人を照らす女性｡
それはとてもとても魅力的で､素敵なこと｡
羨ましさも､憧れも､ある｡



でも､私はそうはなれないから｡
自分の道すら満足に照らせていない､私には｡
あなたを照らすほどの光は持ち合わせていないのです｡




ならば｡





ひっそりと､微かな明かりであなたに安らぎを与える月にはなれるだろうか｡




あなたの進むべき先の道を輝き照らすことはできないけれど､
あなたが崖に落ちてしまわぬよう足元を微かにでも照らすことはできないだろうか｡
あなたがふと立ち止まったとき､安らげるように照らすことはできないだろうか｡




あなたのことを光輝かせることはできないけれど､
あなたのことを安らかに包み込むことができたなら｡




私はそれで､幸せだと思います｡



もし太陽になれると言われたとしても､


私はやっぱり月で居続けるでしょう｡



あなたがずんずん進んでいく道のりで､
ふと立ち止まりたくなったとき､
優しく包み込む月でいたい｡




あなたの落ち着ける場所でいたいのです｡