久々に学生らしいことをしたかもしれない。
今日は学校祭。
学校祭といえば、自由時間に友達や恋人と一緒に見て回るのが醍醐味ってもの。
でも、高校まで私は自由時間がむしろ苦手だった。
友達がいないわけじゃないけど、時間が合わなかったり他の友達との兼ね合いもあったり…あぁ、流動的で落ち着かない。と思ってた。
それは大学でも変わらず。
無理して回る相手を探すのが億劫で、人を誘うことをしないから暇を持て余す次第で。
今年もそんな感じかな、なんて思ってた。
――でも、今年は違ったらしい。
なんと、
デートに誘われたわけで。
例の恋したい先輩。
敦さんにしておこう。
敦さんに、空き時間誘われた。
「どっか行く?」って。
周りには他にも何人か暇な人はいたっぽいけれど、敦さんは私に言ってきた。
単に仲が良くて誘いやすかっただけかもしれないけれど。
実は私、学校祭をデートするのは初。
ちょうど別れたり、まだつき合ってなかったりと、とにかくタイミングが悪かった。
だから、敦さんと回れてすごく楽しかったし嬉しかったんだ。
おごってくれたしね(笑)
学校祭で男女で歩くと大抵カップルに見える。
だから、もしかしたら私と敦さんもそう見えてたのかな?
すごいびっくりした顔をする友達もいれば、
よそよそしくすれ違っていく先輩もいる。
何か騙してるみたいだったけど、それはそれでおもしろくて。
学校祭の自由時間が初めて苦痛じゃなく楽しいと感じた。
最近敦さんは気づいたら近くにいる。
無意識っぽい?けど…
それがまた可愛くて。
本当にこの人を好きになれたらいいなぁと思った。
敦さんは先輩として憧れるには少し欠点が多い。
だけど、その欠点が嫌な欠点じゃないんだよね。
受け入れられる欠点。
だから近くにいて楽しいし嫌にならないというか。
あぁ、もうちょっと早く出会いたかったな。
そしたら、好きになれたかもしれない。
今から好きになり好きになってもらうには、私たちにはあまりに時間がなさすぎる。
だから、ギリギリ憧れの地点に。
お願いだからいてくださいね、敦さん。