夢を見た。
病院の一室。横たわる私。それを囲む家族。
いきなりそんな場面だったけど、私は理解していた。
あぁ、これから産むんだなと。
いやに冷静だったな。
そして、気づいたら産み終えていた。
女の子。
3000グラムに満たない、小さな子。
「私たち」の子なのに小柄だったわよ。
夢の中で私は結婚してなかった。
でも相手が誰かはわかってる。
あなただったよ、大地。
この前そういう話をしたからかな。
夢の中での翌日、あなたに伝えたよ。
「あなたの子どもを産んだわよ」って。
そしたらあなたはなにも言わずにぎゅっと抱き締めてきた。
その腕の強さにやっと体の力が抜けた気がした。
ーーもちろん、現実じゃないってわかってるけど。
妊娠する夢って初めて見たけど。
その相手があなたでよかったと、心から思ったよ。
5日間ほど大地の家にお邪魔してきた。
ぴったり1ヶ月ぶりの再会。
今回は本当に試験とか関係なく行ったのでゆっくり過ごせたかな。
まぁ相変わらず会話という会話はあんまりしなくて。
それはそれでいいかと思ってたんだけれど。
ふと、料理を作るのに冷蔵庫を開けてみたら。
違和感のあるものが目に入ってきた。
長い糸のようなもの……女の、髪の毛。
そう、女の。
ーーその可能性は、覚悟してたつもりだったのに。
見た瞬間に肝が冷えた。
大地に限って浮気なんか絶対ないと、どこかで高を括ってた自分がいた。
……まぁ結果それは自分の髪の毛だったというオチなんですが。
女にしたらかなり太くて他の人との違いがわかりやすいので(笑)
ただ、この一本の髪の毛でこんなに揺らいじゃうくらい遠い距離に普段はいるんだと、思い知らされた。
遠距離にしたら会話がたりないということも。
「安心」に身を任せすぎて、私は彼のことをほとんど聞いていないことに気づいちゃったんだ。
ーー意識的に避けてたのもあるけれど。
色々話すとそれが当たり前みたいになって、離れたときの寂しさが増すんじゃないかなって。
特に今回は。
次いつ会えるかわからないから。
不安も大きくて。
だから昨日の夜。最後の夜。
色々話したい。けど、どう話していいかもわからない。
そして明日帰ると思ったらそれだけで寂しくて泣けてしまいそうで。
時間だけが無為に過ぎていって。
どうしようどうしよう……
言葉がでてこなくて、ただ抱きついてた。
「ん?どしたの?」
気づいて大地が問いかけてくれたけど、やっぱり言葉がでてこなくて。
色んな感情がごちゃ混ぜになって。
言葉の代わりに零れたのは、涙。
自分でも驚いた。
私にこんな女の面があるのかと。
大地はただただ静かに聴いてくれてた。
時折小さい子をあやすように頭を撫でながら。
そうやって話してしまうとすごく気持ちが楽になってた。
恋人だからと全ては話さなくていいけれど、やはりある程度の本音は晒すべきだなと悟った。
ーー今まで晒しても大丈夫な人とつき合ってこなかったんだなぁ。残念(笑)
最初は落ち着いて寝るつもりだったんだけどね。
本音を話して私は安心感が増し、彼は愛しさが増し(たらしい)、まぁ肌を合わせたわけで。
今までで一番幸せで甘い行為だったかもしれない。
終わった後いつもは早く寝るんだけど、昨日はせっかくだからとたくさんたくさん話した。
今まで話したことないこともたくさん。
お互いの気持ち。相手についてのこと。高校時代のこと。将来の話。同棲。結婚。子ども。過去のこと……
気づいたら早朝。
大地さん普通に仕事なのに(笑)
ごめんね。
でも、ありがとう。
おかげで安心して帰れる。
話したことでまた距離が近くなって愛情も増した気がする。
やっぱり、好きだ。って思えた。
ありがとう。
話題:I LOVE YOU を訳しなさい
何度も何度もやったね、このお題は。
毎回意味は変わるんだよなぁ私の場合。
いつもは過去の人とか曖昧な人への想いだった。
でも今回は違うよ。
今想うのは、あなた。
あなたにI love you.を伝えるなら、そうね。
『あなたになら、束縛されたっていい。』
束縛は嫌いよ。
するのもされるのも。
それでも、あなたなら。
あなたなら、いいかもしれないって。
そう思ったんだ。
だから、狂おしいほど愛しい君へ伝えよう。
I love you.I love you.I love you...
あなたになら、自由をくれてやってもいいわ。
だって私が居心地いい環境を求めたら、結局あなたに辿り着くんだから。
私の自由のために、私をあなたの傍に縛って置いて。
Love is blind.
“恋は盲目”
人は恋をすると他のことが見えなくなる。
人は恋をすると他がどうでもよくなる。
人は恋をすると、他を切り捨てることさえできる。
それは人が生まれたときから背負う業なのかもしれない。
とにかく人は愛だの恋だのにいつの時代も一生懸命だ。
特に女は四六時中相手の存在を求めるもので。
自分が100%の愛情を注いだ人には、
自分に100%の愛情を注いでほしいと思うらしいのです。
ずっと自分のことを見ていてほしいらしいのです。
だから相手がちょっと自分から目を逸らすと、
「なんで見てくれないの?私を見てよ!」と言うの。
ちょっとでも会えないときがあると、
「寂しい。会いたいよ……」と言うの。
私はそんな恋愛に巻き込まれて大分懲りてきたし、
相手に押しつける感情は愛でも恋でもなくエゴだと思ってるような人間だから。
絶対言わないーー言えない。
『
寂しい...会いにきて』
なんて、言えないの。
例え寂しくても我慢してしまう。
だって我慢できてしまうんだもの。
寂しいーー『大丈夫。』
天の邪鬼のように、私は想いとは裏腹の言葉を口にするの。