あてどもなく歩く､君と二人

相手は親しげな調子でこんにちはと言いました。
雰囲気で相手も職員だなと思いました。
相手はわたしを知っていて、ガラガラの、枯れた声で｢誰だかわかる？｣と聞いて来ました。
何度すみませんわかりませんと言っても名乗らない。
知ってる人の名前挙げてみてと言われて、最初の人の名前を聞いて｢そうだよ。扁桃腺やられちゃってさー｣

一番に名前出て来るくらい、他支店で親しい人。
もともとわたしは２年目だし行事にも積極的に参加せず同期会でさえあまり出席しないから顔は広くないんです。


すると今度は、

もう俺の名前は口にしないで欲しい
口軽くないよね？
もう大人だよね？
この電話切ったら忘れて欲しい
変なこと言うけど次会う時態度を変えないで欲しい

変だなと思いつつ全てにYesで答え話を促しました。



何故か性欲処理の話が始まりました。

相談のような、打ち明け話のような…

｢誰かに聞いて欲しい｣的な、懺悔のような告白のような…


困惑しつつとりあえずそうですねと言うわたし。


段々内容がエスカレートしていきました。



(君の声は周りに聞こえないけどわたしは普通に窓口に座ってんだぞ変なこと言えねぇじゃねぇか何だこれ！)
と心の中で悲鳴をあげます。


彼氏のだったら汚いなんて思わないよね？


とか言われて最早そうですねで答えられず、早く終わらせたいがためにずっと相手の話を肯定したけどこれには無理で、
｢居たことないのでわかりません｣
と答えてしまった。


相手は謝りつつも、彼氏だったら、とか好きな人だったらと仮定の話をしてきます。

この辺りで客が来ました。
先輩が接客してるって言っても客が来てる状態で長電話なんてしてられない。
だけど話の途中で切るということが出来ない、変なところで律儀なわたし。


一刻も早く終わらせるためにそうですねそうですねと答える。


こんなこと話してるうちに固くなってきた

もうすごく固い

見てもらいたい

出してもいい？



って言われても／(^O^)＼

電話なのに見るとか無理だからｗｗ

出してもいい？に対しては｢いいっすよいいっすよ｣を小声で連呼。
もう早く終わらせてくれｗ

だけどさすがにこいつやばいと思って全然混んでないけど｢すいませんちょっと窓口混雑して来ちゃったんで…｣と言ったら、向こうから切りました。



電話切って机の周り片付けて雑務をこなしつつ直前の出来事を思い出して？？？なわたし。


人生初の変態電話。
頑なに自分から名乗らなかった辺りかなり怪しい。
でもあの感じは、絶対知ってる人。
こんな内容だから名乗りたくなかったのか、自分の存在を隠したいからなのか。
ただ本当にガラガラの声だった。これは演技じゃない。
好感の持てる話し方。わたしも知ってる話し方。
わたしが名前を挙げた人の話し方に似てる。
だけどそれは思い込みかもしれない。


オレオレ詐欺にひっかかる老人はこんな感じか！と実感。


誰だったとしても、何でわたし？という疑問が一番。

だけどあまりに非現実的過ぎて、夢かなと思えてきたｗｗ


現実のはずだけど。


真実知りたい…