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no title

思い出した。
早朝の海の匂い。左頬をなぞる朝陽。窓越しの流れる景色。エンジン音。地平線。
ぼんやりとした意識のなか、ただただ走っていた。何も知らずにその瞬間を。


昔話は空想のように、危うく信じがたいけれど、確かにそこにあって、わたしはその上に立っている。



ああ駄目だ。ちょっとだけ泣く。
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