苛々すると吐きそうになる、手が震える、左手が。そう左手だけ。そういえば彼奴が好きなあの娘は左利き。席が隣だと腕がぶつかるとか、あっそう。
背中に感じる二人の気配が、耳につく笑い声が、私をいつも笑わせてくれる。笑え、笑え。楽しくないのに笑えるみたい、人間って凄い、嘘なんて吐くの簡単よって誰が言った。簡単だけど、辛いってそんなの聞いてない。(言ってない。)





声を聞けば、手に触れれば、大丈夫なんて嘘でしょう。どうしようもない。誰にも、何にも、自分ですらどうすることも出来ない。

とても怖い。
だから私は眠っていたい。





(ごめんなさい。これが所謂、空気読めない、っていうやつだ。)