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【ピアプロ】口伝鬼衣(くでん おにごろも)

戦乱 落ち掛けた城 主が刃は既に折れ
彼岸に花咲く紅き海 もはやこれまでか

若君 覚悟を定め 汝が情けをその腹へ
世も知らぬ目なれぞ彼の姿 誠が武士(もののふ)よ

ありゃなんぞ分かつ道 喝るがごとくに呻く声
刮目せしやと人が言う
地獄を翔るは 牝馬が御髪よ
我が姉さま角隠し


懐剣 煌めく刃 猛く鳴き疾風や一陣が
五徳も振り切り薙ぎ払う げれつどものきや

花嫁 白無垢が君 朱染めが縁取る打掛を
引きずり千切って咲く飛沫 鬼神がここに在り

女(おなご)ゆえ仕合わせを 希う由したたむ政(まつりごと)
手綱になれやと国を出す
文にて幸い 父なる願いは
あてにゃ過ぎたもん


あれ聞きや 西にこれあり
彼岸がほころぶ城跡に
雄より勇みし姉口伝
鬼神が纏いし嫁衣(よめごろも)

【ピアプロ】アイム・マイ・ヒーロ

「とくべつなひとになりたいな」って
幼心に思ったりして
せめてキレイな自分でいたいと
子ども心を覚えてた

理不尽なこと許せないけれど
意気地ナシはなんも言えないまま
へ理屈に怒り憤ってまた
卑屈なほど自己嫌悪してさ

幼心を忘れず在れたら
抱えてた夢ごと大きく
なれると信じここまできたけど
僕はただ未熟なままだ


雨上がり夕なじむ虹に
白く煤けた月が見えてる
跳ね回る子どもが帰るよ
なつかしいね僕のすがただ

目の前の小さな影絵に
自分のすがた重ねてみるたび
陰鬱に押し込む明日に
いくら僻めば気がすむんだろ

幼心を忘れず在れたら
抱えてた夢ごと大きく
なれると信じここまできたけど
僕はただ未熟なままだ


幼心を思い返しては
抱いた自分の幼さに酔い
大人げなく振る舞ってみては
擦り切れた絵本に成りきり

幼心を忘れず在れたら
あの日夢見た大きな背中を
手に出来るとここまできたけど

僕はまだ未熟なままだ

【ピアプロ】とある海辺の寝入り話

ねぇねぇ知ってる?おとぎの事実
人魚姫の裏話
声を奪ったウツボの魔女は
それはそれは寂しかった

「潮の総てを知るけれど
地を這うものほど友は無く
番(つがい)も愛も信頼も
どうして甘いと申せましょう」

眠たくなるほど永いお話
何でも知ってる魔女さまは
あんまり一人が寂しくて
海の総てを手に入れた


ねぇねぇ知ってる?おとぎの事実
人魚姫の裏話
海を統べたウツボの魔女は
それはそれは頑張った

「人魚の声音、王の腕
真珠の瞳に金の髪
綺麗を全部注ぎ込めば
私の“だれか”を造れるの?」

眠たくなるほど永いお話
何でも持ってた魔女さまは
自分の全部を注ぎ込んで
お人形(にんぎょ)さんを作ったの


(眠たくなるほど永き我が身に
海の深さは寂しくて)
(牙も力も知性さえ
貴方に熱を灯すなら)


ねぇねぇ知ってる?おとぎの歴史
人魚姫の裏話
海のお水がしょっぱいのはさ
うつほの魔女が融けたから

【ピアプロ】金の刃と銀の姫


昔むかしの水の底
今は遠い物語
金の刃と謳われた
小さなメダカのお話だ



とある底なし海の底
美しい姫がありまして
銀の肌に珠の瞳(め)の
たいそう綺麗な姫君が


とある小池(おいけ)のメダカの子
噂のうわさを又聞きし
「一度あの手に触れたら」と
握って叫んだブロマイド


不撓不屈の意志の下
滝を登って空を駆け
竜の神さえ言い負かし
岩礁さえも貫いた



とある真珠の姫君は
たいそう綺麗で輝くが
心は冷たく渦巻いて
けして笑わぬひきこもり

A´
空の言葉に傷ついて
氷土に瞳を潤ませて
爪でなじってただ泣いて
珊瑚の宮から出て来ない


突如はじけた宮の壁
飛び込む小さな魚の子
いったい誰ぞと叫んだら
「名もないメダカにございます!」


嘆き悲しむ贅沢を
風雲のごとくぶち壊し
幽玄無為なる理を
ただのメダカが砕くとは!



とあるメダカの無礼者
真珠の姫の手を取って
「なんて醜い指先か!」
そのままヤスリで整える


真珠の姫君ただぽかん
輝く顔には目もくれず
メダカは不精と憤る
「なんと可笑しいことでしょう!」


あれほど澱んだ世界すら
不思議と可笑しく面白く
見目声音の表装も
要らぬ者には意味もない



昔むかしの水の底
今は遠い物語
金のヤスリと謳われた
小さなメダカのお話だ


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プロフィール
一色あるとさんのプロフィール
性 別 女性
職 業 大学生