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【散文】夢屋敷

夢屋敷はどこにあるの?
花の咲く丘の上に
夢屋敷はなにがあるの?
古い大時計が
夢屋敷はだれがいるの?
小さな子どもが一人きりで

幻想のなか待ってる
あなたのこと待ってる
探してみなさいな
そこはあなたの近くに


夢屋敷はどこにあるの?
花の咲く丘の上に
夢屋敷はなにがあるの?
古い大時計が
夢屋敷はだれがいるの?
小さな子どもが一人きりで

蔦に絡まれ待ってる
あなたのこと待ってる
気づいてあげなさいな
黄昏はあなたのそばに


化粧箱の子ども達
開かれる扉の向こう側
ひびの入る時計の
ゴンゴン鳴ります耳鳴りと
涸れた露草
傍らの勿忘草
夢切りに誘われてください

【散文】焔

頭の中の篝火を
良しとしない私がいたの
毒を含むの 視線の先
無邪気が許されるならば

重い蓋を落とす
外すことはあるのでしょうか
箍(たが)で押さえつけた
焔がまた栄える

このどうしようもない
空腹飢餓感に
鉄の味で誤魔化したの

耐えられない


篝火の中で舞っている
チラつくアゲハ蝶のように
孕んだ毒 指で弾いて
無知が無垢だとされるならば

隙間から伸ばす
手を抑えられたのでしょうか
限界がくるの
亀裂がまた走る

外したい「箍」がある
欲求的な意思
吐き出したい焔があるの

止められない


人が私をワガママだと
呼ぶならばこの焔はなんですか

頭の中で栄えてまた抑えつけてる
他に術がないの
誰か
教えてください

【散文】銀河列車

輝く空に寄せた涙は夢の中
忘れられない夜に君を追いかける

T
金平糖みたいな流れ星を描いた
画用紙に願いかける
クレヨンのポラリス

「星を捕まえに行こう」
カンパネルラ
夜通し語る僕らは旅人

輝く空に駈けた笑顔は夢の中
流れ星に託して
君を描くよ

U
散りばめたビーズみたいな星屑
小瓶に詰めた願い事
銀河が連れ行く

「星を見つけに行くんだ」
カンパネルラ
サヨナラを告げる君は旅人

輝く空に駈けた銀河列車の夢
流れ星追いかける
君は描くよ

V
流れて行く星の雨
夜を語る君は行くよ
鞄に詰め込んだ
クレヨンで描いた地図

輝く空に寄せた涙は天の川に流れ
駈ける君は流れ星
ポラリスを目指す

ミルキーウェイ線路沿いで
君は待ってるのかな
一緒にまた語ろうよ
ポラリス流れる星

【散文】Sun

窓を全開にしてみて
続く空に浮かぶ真昼月
光に照らされた僕ら
太陽の子は見上げて語る

あぁ、蒼に魅せられたなら
其処へ行く僕ら
遠い神さま何て言うのだろう?

答えはやさしい月明かりに

伝い落ちる汗を拭って走り抜けるよどこまでも
最期はきっと届くさ信じて
太陽に背を向ける


朝を見て君を想う
続き広がる暗闇絨毯
光柔らかく受け止め
月の子供は照らし返す

あぁ、あの黄色の暖かさ
此処にいる私たち
傍の神さまが問いかける

キミはドコへ行きたいの

汗の辛さを忘れないように立ち止まらないよ
最初から諦めない強さ
月明かり覚えて


見ている景色、感じる色
重ならないけれど立っている
僕らは子供達

違うけれど同じ空の下

袖に染み込んだ跡を大事に育てて
最期まで続く光
先は見えないから

近くて遠い水鏡みたいな僕ら
双子の子供達
忘れないように

【散文】イタミワケ

朽ちた華の宴には
白い絹織り着せましょう
隠れた善の夕べには
綿の枕を置きましょう

木の囲いはがらんどう
車のサビはさびしんぼう
見知った人の言の葉の
細くほそく刺す痛み

めじりに膿む涙跡
流しそこねた涙あと
鏡面苛烈に身を焦がし
紙上に書き散る水の花

青く踊るぼんぼりに
背を向け語る息子たち
白くしかめる喉元に
染みの花咲く墨の川
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プロフィール
一色あるとさんのプロフィール
性 別 女性
職 業 大学生