「(…あれ?ここはどこだろう)」
=>よぅ。やっときたかぁ
「(小…町…さん?)」
=>さぁ、おいで。話したかったんだ、先は長いしね
「(僕は…死んだんですね。あの子たちも…)」
=>すまなかった。あんたくらいは助けてやりたかったんだが…
「(掟…。死神だから?)」
=>あぁ。まったく、面倒なことだよ。"掟"はあたいたち死神を縛る"鎖"みたいなもんさ
「(僕は…あの子たちを助けたかった。自分の生がわずかなのを知っていたから…。こんなちっぽけな僕でも、誰かを守れると思ったのに…)」
=>涙か…。あたいが昔に忘れた感情だなぁ
「(小町さんも、泣くことがあったんですか?)」
=>忘れちまったよ。ただ、あたいは案内するだけ。何もしてやれないからねぇ
「(小町さんは仲良くなった人たちとさよならを言わなきゃいけない側なんだね。いつも)」
=>"さよなら"か…。今度はあんたの話を聞かせておくれよ
「(え?)」
=>まだあと10日はあるからねぇ
「(え!長いね。そんなに長い話じゃないよ?)」
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魂と死神はゆっくりと進む。閻魔が待つ場所へと
冥界へ