今年はヒイキの野洲が選手権に出場しなかった。例年野洲の試合を東京で観ていただけにつまらない。84回大会の野洲以来続いた「初優勝」も今年はない。決勝は四中工と市船だ。世間はオールドファン好みの「伝統校対決」ともてはやしたが、僕にとっては塩辛くっていけない。

しかし舞台は選手権決勝、場所は国立という派手な仕掛けの「他人の喧嘩」を、おもいっきり楽しんでやろうとテレビを見た。・・・・。・・・・。つまらない!つまらなさすぎる!開始早々、セットプレーから四中工が一点入れた。市船は打ち合いに出るかと思ったが、意外にも引いて守る。

四中工のサイドアタックは好きだ。横を広く使うサッカーは観ていて気持ちがいい。しかし引いて守った市船のディフェンスに絡め取られる。サイドに相手を追い込み二人ではさみにいく。サイドラインやエンドライン附近で動きがとまってチョコチョコ蹴りあう。

フットボールの爽快さは失われ、土俵際の押し相撲を見せられているようだ。おそろしく噛み合わせの悪い試合!!ヒイキのチームならそれでも「勝てば官軍」だが、他人の喧嘩なら派手はほうが面白いにきまっている。このまま試合が続いたが後半の終了前、15分ぐらいから市船が攻撃に転じる。

どうもセットプレーに自身があるらしく、さかんにエンドライン附近で相手DFにボールをぶつけてCKを取りにいっている。で、ズドンと決まった。延長。そして延長後半で市船が1点ズドン。これで優勝が決まった。はぁぁぁ。「劇的な試合」とマスコミはもてはやした。

終了間際に同点、延長で逆転。たしかに劇的だ。しかし盛り上がったのは点の入った開始直後、終了間際そして延長後半の3回だけ。そのうち2回はセットプレー。その他の時間帯90分以上は0−0の退屈なゲームだった。

それはお前がトーシロだからだよっ!!って言われそうだが、観衆の多くはトーシロだっ!試合開始前、テレビのアナウンサーが「全国の少年達の憧れ。全国高校サッカー選手権決勝!」と言っていたが、全国の少年の殆どがサッカーの素人だ。

「80分は守りきって残り10分で点を取るつもりだった。なぜなら攻撃力に絶対の自信があったから」とは試合終了後、優勝校の監督の弁だ。果たしてゲームプランどうりに事は進んだ。でもつまらん!

やはり「We Will ROCK You!!」(お前たちをびっくりさせてやる、世間をあっ言わせてやる)が必要だと思ったね。そうしないとサッカーの人気が出ないし盛り上がらない。結局、日本で人気があるのは日本代表戦。

これはサッカー人気というよりは、『日本人が国際競争力のある(団体)競技が好きで、それが今、サッカーであるということ』にすぎない。国際競争力があるならバスケだって野球だってバレーだってどれでもいいってこと。

地元のJチームが天皇杯の試合に勝った翌日のスポーツ紙の一面が、地元のプロ野球のチームのストーブリーグ的なネタ、、、。そうなるでしょ。ゆーハナシ。

話題:全国高校サッカー選手権大会