子世代の魅力を堪能

見えざるミライの透魔探索記!子世代編3
『泡沫の記憶、揺れる面影』

…これは私の憶えている、或る世界の話。
もう一人のカンナが『夜刀神・長夜』を手にした後、程近い場所に白き国の王子、そして彼の元に寄り集まった者たちの姿が。王子は敵を逃した事を悔やみ、仲間たちは互いに傷の手当てをしていた。
致命傷ではないものの、その傷は深い。それは先程戦った謎の兵たちと…

ある『竜』に負わされたものだった。


カンナ達がいる場所からさほど遠くない場所に、白夜王国第一王子の息子、シノノメと臣下のグレイ、呪い師シャラ、しっかり者の薬商人ミドリコ、天馬武者マトイの姿が。
シノノメ、シャラは敵を取り逃がした事、傷をつけた事を恨み、悔やむがマトイは取り逃がした事を賢明な判断だと考える。真向勝負していれば、致命傷では済まされなかったかも知れない。
しかし、シノノメは逃した事を負けだと考え、この状況が納得いかない。だが彼の臣下グレイは次にその敵を見つけたら全力で逃げると案ずる。今その敵を見つけたら、もしくは見つかったら今度こそ命が危ない。
そこでマトイは、仲間も集まった事だし、ここで一休みしないかと言う。その方が薬の効果も高い。その上、何があったのかもじっくり考えられる。
グレイは、戦闘なんてした事がない者たちが集まった上、何故戦う羽目になったのかを問う。シノノメは『竜』の鳴き声を聞いたら戦闘意欲が高まってしまった事を述べる。その竜の鳴き声に何らかの力があったのか、さらに、シノノメの単独行動が多く見えたため、仲間割れが始まってしまう。どうにかマトイが二人を宥める。戦う相手は仲間同士じゃない。
二人共、秘境を追われ、父を失った悲しさと先の戦闘の悔しさから熱り立ってしまったのだ。
だが、このまま逃げ続けるのは悔しくないのか?シノノメは悔やんでいる。今は父の形見となってしまった神器【雷神刀】をこんな形で継承した事、自分に何もできなかった事、雷神刀を使いこなせるようになった自分を、父に見て喜んでもらいたかった…。
ミドリコは自分がまともに戦えないのを悔やんでいる。今は己を責める事しかできない。ところがグレイもまた、エポニーヌと同じくこの状況にせいせいしている。と思ったが、グレイが今こうしていられるのは父サイゾウが秘境に来たからだろう。やはり助けられた身だった。
それに今なら戦えるかも知れない。シャラが言うには、竜の気配がしなくなった今なら戦闘意欲を制御できるかも知れないと。カンナの竜化が解けたせいだろう。
今なら勝機があるとみたマトイの意見で全員一致し、戦場に赴く。
ここは…暗夜王子と戦った天蓋の森か?いやでも…木があまり育ってないし…。異世界なのか?あと透魔兵ノスフェラトゥがトラウマになりそうなんだが。見た目的に。周りには謎のストラテジスト、騎士、ダークプリンス、ダークマージ、シーフ、ロッドナイトがいる。
条件は敵将撃破。敵将はストラテジストとダークプリンス。どこかで見た面影…。
最強とも言えるシノノメの雷神刀のお陰で謎のストラテジスト撃破。クリティカル怖い。あと天蓋の森名物闇沼でシャラが傷付いたが呪わないでくれ、クリアのための代償だと思って欲しい。ゴーレムを避ける事なく敵将を倒す事はできないから突っ込むしかない。あとは謎のダークプリンスだけだ!
謎の騎士に服剥ぎされるのだけは真っ平御免だから即撃退。謎のロッドナイトだけ生き残った。と言うか生き残らせた。
謎のダークプリンスはみんなで力を合わせて撃退。これぞチームワーク。最短の7ターンクリア!なんか7ターンずつ減ってないか!?
敵を追い詰めたが、まだ戦いを仕掛けてこようとする。そうなったら徹底的に叩くと決めたシノノメが突っ込もうとしたがグレイが体を張って止めにかかる。みんな同じなんだ、誰かを失うのはもう嫌なんだよ…!!
敵の一撃が来る寸前でカンナたちが合流。ここは一旦退こう!
隠れ場所で傷の手当てを済ませ、自己紹介もする。キサラギとシノノメは面識はあるが、他の面子は面識があるようなないような…。
みんな、秘境を追われて親と離れ離れ、何が起こっているんだ…!お互いに情報を出し合ったが、結論は分からない。真相を突き止めるまで刀を振るうしかない。でもこれから戦う時は、この10人で一緒に力を合わせて!

その思いは夜刀神と雷神刀の力を繋げ、夜刀神は【夜刀神・白夜】に!
国の名を冠したこの刀ななら…!再び戦場に赴くシノノメ達!

そしてまた謎の場所。予言の歌・煉を歌うシグレ。狭間の世界を守る事はできなかったが、シグレが今こうしていられるのはアクアが自らの命を代償にしてまで自分を守ってくれたから。
もはや存在が消えかかっているアクアはシグレに予言の歌の禁じられた4番目の歌詞を教える事を決める。
シグレならアクアより歌の力を引き出せるかも知れない。

彼…シグレは、ハイドらと親交が深かった初代透魔王・リュウレイによく似ている。シグレを自分と同じ目に遭わせたくなかったから4番目の歌詞は幻のまま葬り去るつもりでいた。
シグレはもう迷う事はない。消えたりしないから。
それを聞いたアクアは、歌の続きを継承する。
空蝉描く夢、記憶の双剣、揺れる面影、惑いを切り裂いて…これはまさか…!!


前編終了、明日から後編突入です!