スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

これが恋!?


■ルール
・見たらやる
・タイトルに「これが恋!?」と設定する
・見たら直ぐやる
・バトン見た人は必ずやること
・足跡ついた瞬間「見た」と判断されますので要注意!!!




〈1〉好きなタイプを外見で答えよう☆
A:イケメンが大好きです
黒髪短髪ならもっと良し

〈2〉財布はどんなのを使っていますか?
A:黒いエナメルの

〈3〉携帯のストラップは?
A:付けない派です
女らしくないなぁとは思うんだが邪魔でさ…

〈4〉バックはどんなのを持っていますか?
A:基本気に入ったのをボロボロになるまで使うんでボロボロな黒い鞄です
鞄が可哀想

〈5〉バックの主な中身は?
A:ハンカチ、ティッシュ、財布、免許証、ポーチの中にナプキンと生理痛の薬(常にいつ来るか謎)、シュシュ、鏡、化粧ポーチ、つけま
日によって違いますが今はこうだった

〈6〉星に何を願う?
A:お金ください

〈7〉もしクレヨンに生まれ変わったら何色がいい?
A:水色

〈8〉好きなスポーツは?
A:バスケ!と野球
   
〈9〉好きな曜日は?
A:金曜日
ネットにDRRR!!がうpされてるから

〈10〉最後に見た映画は?
A:昨日テレビでやってたやつ

〈11〉怒ってるときにどうなる?
A:軽いのなら何もならないが、ガチなら893になるらしい

〈12〉夏と冬どっちが好き?
A:雪が降らないなら冬が好き

〈13〉最近泣いたのはいつ?何故?
A:笹塚さん追悼動画でマジ泣き
つい最近の話です
たおやかな恋でした

〈14〉昨夜何をしましたか?
A:課題しながら映画観てた

〈15〉好きな車は?
A:広いの
車の名前覚えられない

〈16〉貴方の性格を一言で言うと?
A:能天気馬鹿?

〈17〉あなたの顔を動物に例えると?
A:顔は…実に人間…です

〈18〉濃い顔?薄い顔?
A:薄いけど濃いって言われた

〈19〉身長はいくつ?
A:160p前後

〈20〉自分の身体で嫌いなところは?
A:脂肪

〈21〉タバコは?
A:シズちゃんインポになるからやめなよ

〈22〉ファッションは何系ですか?
A:ゆるい?

〈23〉カラオケで何を歌いますか?
A:最近方向性が迷子
自分はアニソンでテンション上がるがギャルの前で熱唱した事は間違いではなかっただろうか

〈24〉カラオケで異性に唄ってもらいたい曲は何ですか?
A:津軽海峡冬景色(シズちゃん!)
ガチならホルモンがクソテンション上がる

〈25〉携帯の着信音は?
A:RADの何か

〈26〉あだ名は?
A:ナツオちゃん

〈27〉彼氏・彼女にするなら美黒派?美肌派?
A:美黒で松崎しげるさんしか出て来なかったので美肌がいいな

〈28〉何系の異性が好きですか?
A:何系とかよく分かりませんがとにかくB系の男が無理です

〈29〉異性の好きな髪形は?
A:黒髪短髪!
でも金髪もすごく良いと思うんだ、シズちゃんお洒落パーマして来てくれ

〈30〉スポーツ派?知性派?
A:………知性派で

〈31〉身長は何センチから何センチの人が好きですか?
A:170p以上の人が良いです

〈32〉買い物はどこでしますか?
A:…スーパー?

〈33〉趣味は何ですか?
A:妄想と食べる事と寝る事です!
煩悩!

〈34〉特技はなんですか?
A:………演技?

〈35〉ブログで逢いたい人はいますか?
A:ブログで?
質問の意味が分からん正しい日本語で言ってくれ

〈36〉あなたが今一番気になっていることは何ですか?
A:シズちゃんのお住まいは洋室ですか和室ですか
私服はどんなのですか
年下は絶対駄目ですかそうですか

〈37〉あなたが今一番したいことは何ですか?
A:虫歯の治療

〈38〉好きな人ができるとどう変わりますか?
A:頭の中がその人でいっぱいになります
今もシズちゃんでいっぱいです

〈39〉彼氏・彼女とケンカをしたら自分から誤りますか?
A:え、私基本悪い事しないから相手が謝らないとかないでしょ←

〈40〉初デートはどこに行きたいですか?
A:西口公園!
シズちゃんお弁当作ってくね

〈41〉男女の友情はあり?なし?
A:ありますがめんどくさい

〈42〉夢を持つ異性をどう思いますか?
A:(どうでも)いいんじゃないかな

〈43〉なんて言われて告白されたい?
A:オンリーワン 君しかいない

〈44〉プロポーズの言葉はなんて言う?なんて言われたい?
A:ナンバーワン 一等好きさ

〈45〉好きな人に好きな人ができました。どうする?
A:え…あたしの事ですよね?(*^∪^*)

〈46〉なんとも思ってない人に「好き」と言われました。どうする?
A:シカトします

〈47〉あなたは彼氏・彼女ができたら素直に「好き」って言えますか?
A:D・A・I・S・U・K・I 大好き!!

〈48〉家が遠い彼氏・彼女から夜中「会いたい」といわれたら?
A:夜中ってたぶん寝てるわ
シズちゃんなら即化粧して着替えてシズちゃんが来てくれるの待ちます

〈49〉好きな人に「〜な人嫌いなんだよねぇ」と自分に当てはまるコトを言われたら?
A:シズちゃんなら全力で直すが、それ以外なら気にしないかな

〈50〉好きになるキッカケは?
A:私に優しい

〈51〉理想を5つ
A:金髪、長身、細マッチョ、バーテン服、サングラス

〈52〉理想の人に会ってますか?
A:パソコンの中に閉じ込めておきました

〈53〉恋愛と結婚は別ですか?
A:小さい頃から母と姉ちゃんに耳に蛸が出来る位別だって言われた

〈54〉あなたの宝物は何ですか?
A:……友情?

ありがとうございました!




エムブロ!バトン倉庫
mblg.tv


小十郎連載番外編過去話

真っ暗な夜空に真冬の星座が頭上でキラキラと輝いていた
それでも私はなんとなくうつむいて、吐く息で視界を白く染めた


「寒いねぇ」

「すっかり遅くなったからな」

隣で歩調を合わせてくれている彼は、両の手のひらを擦り合わせながら寒さで赤くなった顔をこちらに向けた
ぐるぐる巻きにした黒のマフラーで口元が見えない

「ちょっと白熱しちゃったね、先生の説明面白いから」

「こんな暗くなる前に帰るんだったなぁ、特に野田は」

「なんであたし?」

言ってる意味がよく分からなくて首を傾げると、隣の彼は目を細めて『やっぱり分かってない』と笑った
そういう台詞はよく友達に言われるから、またあたしはみんなとズレた事を言っているのかと思った

「分かってないって、何がなの?」

「怒んなって、な?
肉まん買ってやるから」

「ほんとっ?」


あたしがぱっと顔を輝かせると、彼は体を震わせ笑い出した
何で笑うの!と言っても何でもないと返すばかりで、ほら行くぞと近くにあったコンビニに入ろうとした
外からコンビニとその制服を着た店員を見た
奢ってもらう立場なのに図々しいが、肉まんなら違うコンビニのやつの方が美味しいんだけどなぁ
おにぎりは美味しいけど、そう思っておにぎりを置いている棚を見ると、見慣れた人の後ろ姿が肩から上だけ見えた


「片倉さん…?」


きっとそうだ、コンビニ内のどの人よりも背が高く、広い肩は片倉さんだ
普段政宗くんの家に家庭教師をしに行く時だけしか会わないので、こんな所で出会うなんて新鮮だ
さっきよりもウキウキとした気持ちで同級生の彼の後からコンビニに入った

いらっしゃいませと出迎えた店員の声も、前を歩く彼も追い抜いて、あたしはおにぎり売り場に向かった


「片倉さん!」


びっくりさせようと、こちらに向けている背中に両方の手のひらを押し付けた
片倉さんの背中がびくっと揺れたのが手のひらからも伝わって、ニヤニヤと笑ってから、びっくりしたのはあたしの方だった


「おま…いきなり何しやがる」

「…小十郎の知り合い?」


棚に隠れて入り口からは見えなかったが、なんと片倉さんは綺麗な女の人と一緒だったのだ
綺麗だけれど気の強そうなその女性は、声こそ穏やかそうだが、あたしを見る瞳には敵意が隠される事もなく剥き出しにされている
なんだか怖そうな人だが、綺麗な顔立ちは片倉さんとお似合いに思えた
喉の奥がきゅっと締まって何も言えないあたしの肩を、後ろから来た彼が叩いた


「急に走んなよ」

「あ、ごめん…」

「…その人誰?」


顔だけ振り返って見た同級生の彼は、あたしじゃなくて真っ直ぐ前を見ていた
彼の目はいつもみたいに優しい色をしていなくて、少し細められているように感じた


「たまに家庭教師してる子の…お父さん?」

「誰がお父さんだ!」

「可愛い女の子と知り合いなのね、小十郎」


あたしが同級生の彼に片倉さんを紹介していると、美人さんはくすっと笑った
一見優しそうに見えるが、彼女はあたしに悪意を向けている
その笑い方には年上の余裕のような物があって、私は理由もなく悔しくなった


「じゃあ、あたし肉まん奢ってもらうんで」

「それくらい自分で買え」

「俺が好きで奢るんで」


あえて自分から綺麗な女性については聞かなかった
なぜだか聞きたくなかった
はやく肉まんを買って帰ろう


「だそうです」

「…この小悪魔」

「はい?何か言いましたか?」

「何でもねぇ」


片倉さんが呟いた言葉が聞こえなくて聞き返すと、片倉さんは呆れた顔をした
その表情がなんだか悔しかった
あたしは片倉さんにとってうるさいガキでしかないんだろう
悲しくなって目を伏せ、レジに体を向けた
店員に肉まんを注文し、受け取って店を出るまで片倉さんを見る事はしなかった
あたしの知らない片倉さんを知りたくない気がしたから

同級生の彼とコンビニを出て、ようやく振り返ると、片倉さんはもうあたしなんて見ていなかった
片倉さんはそういう人だし、見ていなくて当たり前なのに、あたしは悲しくて、切なくて、彼に促されてやっと口にした肉まんの味もよく分からなかった


片倉さんの瞳に写っていたい
どんなに少しの間でもいいから

胸が張り裂けそうな位そう思った
あたしはようやく片倉さんに恋をしているのだと気が付いた











小十郎の亡くなった恋人との話
小十郎が大学生、恋人が高校生でくっつく前です
随分前に書きかけのままになってたのを無理矢理書き直したので何を書きたかったのか分かんない…
寒い日の肉まんって美味いよね

50の色々質問バトン!

[自分編]

1 名前→野田ナツオ
2 誕生日→夏生まれです
3 血液型→B型
4 趣味→オタク、化粧、喋る
5 特技→ないなぁ…

@)幼稚園の頃好きだった人の名前を挙げて下さい
→覚えてません

[好きな物編]

1 食べ物→お肉、甘い物、とにかくデブる食べ物は大抵好きです
2 小説→十二国記
3 漫画→ランドリオール
4 歌手→k.、ホルモン、Cocco、RADなど
5 クラス→クラス?
6 芸人→いっぱい好きです
7 TV→あんま観ないけどデュラララ!!が可愛い
8 スポーツ→バスケ
9 教科→日本史とか好きだったかも
10 血液型→あんま気にしてない

@)知人の双子の名前を全て挙げて下さい
→親戚とか
→友達とか
→いろいろ

[タイプ編(異性/同性)]

1 身長→175p超え/気にしない
2 髪型→黒髪短髪のはずが今金髪(シズちゃん)に夢中/黒髪ロングストレートたまらん
3 服装→B系嫌い/ギャル過ぎるのは嫌かも
4 性格→うざいのは嫌/ネチネチした女以外は好きよ
5 属性→特になし/特になし
6 賢さ→馬鹿じゃないならよし/気にしない


@)最後に受け取ったメールは誰から?そしてその内容は?

友達から
オタクな内容…(笑)


[経験編]
○×で答えて下さい

1 [×]万引き
2 [○]バイク
3 [×]補導
4 [?]授業放棄
授業放棄ってどんな状態なん?
5 [×]ピアス
6 [×]脱色
7 [×]刺青
8 [△]殴り合いの喧嘩
9 [×]校長実に呼び出し
10[○?]親の呼び出し


@)アドレス帳のメモリ登録数は?

多くはない


[有り無し編]

◎○△×で答えて下さい

1[○]ヘタレ
2[◎]天然
3[△]不良
4[△]ナルシスト
5[×]キザ
6[◎]ショタ
7[△]マザコン
8[◎]ツンデレ
9[△]ツンツン
10[◎]素直
11[△]俺様
12[◎]オタク
13[○]同性愛者
14[△]クール
15[△]たらし


お疲れさまでした!

最後にこのバトンをまわす人を指定して下さい♪

@)情熱のレッド→
@)爽やかブルー→焔ちゃん
@)笑顔のイエロー→綾瀬さま
@)癒しのグリーン→
@)可憐なピンク→Mちゃん




mblg.tv

DRRR!!/平和島静雄7

トムは引きつった表情で仕事の部下である静雄と、その隣に立つ可愛らしい女を見た



「…つう訳で、二日間面倒看る事になったんす
こっちに知り合いも居ないらしいし極度の方向音痴なんで、すいませんが外回りに連れてっていいすかね?」

「………まあ、所長今日明日居ないし大丈夫だろ」

「ありがとうございます」

「ありがとうございます!」

「………」


先程自己紹介をしたこの女は、滝島薺と言った
静雄の噂だけを知っている人間からしたら騙されているか脅されているかのどちらかで静雄の傍に居るのでは…と心配してしまう位、静雄には不釣り合いなごく普通の女だった
整った顔立ちと爽やかな微笑みは、なんというか、静雄が羨ましくて堪らなくなる
静雄の話によると昨日は静雄のアパートに泊まったらしいから、仲の良さそうな雰囲気から何かあったんじゃと邪推してしまうが、キレてない時の静雄の大人しい性格と女性に対する奥手さを考えるとほぼ十割何もなかったと断言出来る
何かあったとしても、静雄をキレさせる可能性があるのでそんな事は聞けないのだが


「静雄、ちょっと…」

「?」


トムは静雄を薺より自分の近くへと呼んだ
静雄はどうしたんだろうと不思議そうな顔でこちらに来た


「薺ちゃん、俺らの仕事が何か知ってんのか?」


トムは声を低くして静雄に尋ねた
迷子になったら大変だから、という考えだけで薺を事務所まで連れて来た可能性が、静雄なら大いにある
薺が静雄の仕事内容についてを知らされていない可能性も、大いにあるのだった
トムは扱いが大変だがそれなりに可愛げのある部下の恋路(に成りうるもの)を心配していた


「あ、それなら朝言いましたよ」

「え、マジでか」

「はい
びっくりはしてましたけど特に怖がる様子はなかったっつうか…
むしろ仕事の話をキラキラした顔で聞いてきました」

「…そうか」


もしかしたら薺は真面目そうな見た目とは裏腹に、こういった裏家業などに憧れのある厄介な女なんじゃ…
そう思ったが、やはり静雄をキレさせたくないので黙っているトムだった
しかし、静雄の発言でその考えを改める事になる


「なんかあっても、薺は俺が守るんで大丈夫っす」

「……静雄」


どこかズレているが勘が異様に鋭く、人に避けられるからこそ人を離れた所から観察する静雄がここまで心を開くのだから、やはり薺は見た目通りの良い子なのかも知れない
化け物じみた力のせいであまり人付き合いの上手くない可愛い後輩を、出来る限り応援してやろうと思った

自分達が話している間此方を見ないように背を向けて気を使っている薺を呼んで、今日も取り立てを開始した


今日の取り立ては、不気味な位スムーズに進んでいた
それというのも、相手の家に行ってドアを叩き、顔を出した相手にテレクラの取り立てである事を告げ、相手がトムの後ろに控えるバーテン服にサングラスの平和島静雄という暴力の象徴を目撃し、恐怖に顔面を蒼白にして恐ろしい速さで金を用意するというのが続いたからである
いつもなら静雄を見てもグダグダと言い訳や言い逃れをし、ついに静雄が我慢の限界に達すると強制的に静雄のターンになり怒りを抑えるまで時間がかかってしまうのだ
今日は何故だかそうならずに済んでいるので、トムと静雄は珍しく世間のお昼時と同じタイミングで昼食にする事にした
二人は薺も引き連れてコンビニへと入った

トムが数々のお弁当が陳列されているコーナーでどれにしようか迷っていると、静雄が財布を薺に預けてトイレへと向かった
静雄の背中が扉の向こうに消えたのを確認し、今しかないと思いトムは薺に話しかけた


「薺ちゃん」

「はい?」

「ぶっちゃけ静雄の事どう思う?」

「えッ…」


薺は本当に驚いた様子でトムを見た
まさかそんな事を聞かれるとは、という表情から、もしかすると薺には一切静雄に対する特別な感情は無いのかも知れないと思った
薺がそうでも、静雄は絶対に薺を気に入っている
恋愛感情は無いにしても、それだけは確かだ
そしてそれは恋に変わる事は有り得るのだ


「えっと…すごく良い人だなと思います」

「そうなんだよ、あいつ馬鹿力だから怖がられる節があるけど良い奴なんだよ」

「はい」

「だから、薺ちゃんみたいに静雄の事分かってやれる可愛い子があいつの彼女になってくれたらいいのになー、って、お節介なオッサンは思ったわけです」

「……!」


溜め息混じりにそう言うと、薺からの返事はなかった
どうしたんだと薺の顔を覗き込むと、薺は茹で蛸みたいに顔を真っ赤にして俯いていた


なんだ、こっちも気があるのかよ
トムは今度は心の中で溜め息を吐いた












完全に方向性を見失った

DRRR!!/平和島静雄6

朝目覚めたら、朝飯があった

朝飯があった、というのは語弊があるのだが、食欲をそそる味噌の香りで目が覚めたばかりの静雄には、突然テレビの前のテーブルに朝食が現れていたとしか言いようがない
久しくまともな朝食にありつけていなかった静雄はまだ働かない頭でぼうっとテーブルを見ていた
そこに、男臭い自分の部屋に不釣り合いな柔らかい声が響く


「あ、平和島さんおはようございます」

「……薺、か?」

「へ?」

「朝飯」

「あ、はい…要りませんでした?」


薺は何でもないように朝食を作ったと認め、それからハッとした顔をした
気まずそうに聞いて来るので、今の言い方だと迷惑がっていると勘違いさせた事にようやく気付く


「悪いな、作ってもらっちまって」

「いえ、暇だったんで」


そう言って薺は少し疲れた顔で笑った
たぶん、薺はあまり寝ていない
理由の分からない出来事に遭遇して、情報の正確さだけは信頼されてるあのノミ蟲を紹介したのに、ノミ蟲からは薺の素性は一切不明だと言われた
不安で、深い眠りに就く事は出来なかったのだろう
気を紛らわす為にこんな早朝から朝飯を作ったのかと思うと、不憫でならない


「もう食べますか?」

「ああ、そうする」

「じゃあ味噌汁温めます」


薺はまた笑ってキッチンへと向かった
テーブルには野菜と鮭を炒めたおかずと、ふっくらとした卵焼き
薺が使った枕や掛け布団はきっちり畳んで部屋の隅に置かれていた
床に散らばっていた空のペットボトルが片付いているのも薺のお蔭かも知れない

炊きたての白米と味噌汁を器に二つずつよそって、薺はテーブルに戻った
誰かと朝食を食べるのは本当に久しぶりで、なんだか照れくさい
それもジャンクフードではなく手作りの、である
薺が手を合わせて『頂きます』と呟いたので、俺もそれに倣う


「…美味い」

「ほんとですか?」

「おう」

「朝食べない人だったらどうしようかと思ってました
それか朝はパン派とか」

「パンより米が良いだろ
パンだと力出ねぇし」

「ですよね!
ほとんどの女友達は朝から食べられないとかパンじゃないと無理とか言うんですよ」

「有り得ねぇ」

「私も朝はガッツリ派です」


そう言ってから薺は喋らずに黙々と箸を動かした


…幸せそうに食べるやつだな


俺の箸も止まる事なく動く
今まで付き合った女は朝飯を作ってくれるという事はほとんどなく、あったとしてもパンと珈琲とか食った気がしないメニュー
やっぱり和食が作れるってのは良い、すごく良い
いや付き合ってねぇけど
むしろ昨日会ったばっかりだけど

俺がそんな事を考えていても、薺はニコニコと嬉しそうに、幸せそうに自分で作った朝食を食べ続ける
昨日から見ている薺の笑顔は不安なのを隠す為の作り笑いか、頭が混乱して思わず出る引きつった笑いかのどちらかだった
今の柔らかい笑顔が薺の本当の表情なのだ
それをどうやっても取り戻してやりたい


「…薺は今日、どうするつもりだ?」

「…どうしましょう
情報屋さんから連絡来るまでやれる事ないんですよね…」

「なら、俺の職場来て時間潰すか?」

「え、職場なんか行っちゃ不味いんじゃ…」


薺は心配そうに言うが、はっきり言って薺を一人にする方が心配だ
こいつはあまり東京に来た事がない上に、道を覚えられないらしい
昨日何度もはぐれかけた
ついさっきまで隣に居たはずなのに、次の瞬間には細い路地に迷い込んでいるような奴だ
一人にしてどうなるのか考えるとゾッとする
本人は『田舎者なんで』と言っていたが、そういう理由ではなく持って生まれた迷子の才能としか思えない
迷っても人に聞けばいいのだが、こっちだろうと勘で突き進むタイプらしい
厄介この上ない


「緩い職場だから大丈夫だろ、トムさんにも言っとくし」

「じゃあ、お邪魔します」

「ああ」

「バーに行くのかー
なんだか緊張するなぁ」

「……あー、仕事の事なんだけど…」



一瞬でも長く、俺に怯えない人間に傍に居て欲しい
そういう下心がある事は黙っておこう












シズちゃん可愛いシズちゃん可愛いばっかり考えて眠ったのに、全長約40pの亀が風呂場で死んでる夢を見ました

前の記事へ 次の記事へ