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今夜、月の出る夜に

話題:創作小説

なーんか
なっつかし〜い創作小説の原稿出て来たからプロローグだけリメイクしてみる。



 都会の喧騒のど真ん中で、不釣り合いにひっそり佇む静寂。

 街灯の明かりをはねのけている闇の中から、風が通り抜けて木がざわざわと鳴く。

 道は綺麗に舗装されており、脇には絶えることなくフラワーショップにでも普通に売られていそうな花が並んで正座している。

 前は多かったそうだが、この町も治安が少しは良くなったために花をむしったり、持って帰ったりする人もいない。

 その公園の中を、私はあくびを噛み殺しながら歩いていた。
 そんなに乗り気じゃなかった日の部活は、大変気怠く。
 どれだけ考えても「疲れた」しか思い付かず、そのせいで眠いのだ。

 ドスッ
「ん?」
 結構すぐそば。
 そこの闇の向こうで、何かの音がした。

 何気なく音がした方を見て、闇なのだから一つも見えない。

 ドスッ
 また音がした。
 その時、空を覆って居た雲が切れ、遮られ続けていた月明りが地上に差し込む。

 瞬間、私の眠気はすっ飛んだ。
 叫ぶ。
「キャァァァァァァァ!」



 月明りに照らされて、その手に握られた物はとても美しかった。
 その手の平で輝くナイフは。

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