ユースタシュの王族は、幼い時から四六時中指輪とピアスを必ず付けています。
王家の象徴である薔薇のモチーフが施され、花弁の中心部には小さな紅い宝石が嵌め込まれている<王家の指輪>を所有しているのは、直系王族のみ。
一般人には扱えないことから、その赤い宝石は賢者の石だという言い伝えがあります。

ユースタシュでは指輪は単なる装飾品ではなく、実用的な道具のようなもの。
重要施設の鍵の役割と個人身分証明書の役割を担う指輪は官僚達にも配布され、老若男女問わず浸透しています。
軍人及び常時手袋を嵌めている者は、指輪にチェーンを通して首から下げるよう、就業規則で定まっています。
分かりやすく言うと、職員が首からぶら下げているIDカードみたいなもんですね。
でも、IDカードとは違って見た目はただの指輪で表面に名前や部署の表記などなく、鍵の施錠時指輪所有者でないと作動しないので、セキュリティーは高いです。