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705号室 ホテル奇談

『705号室 ホテル奇談』
著者 塔山郁

おくだりさまという神様のような化け物を祀っていた旅館の悲劇から始まる怪談。
怖くて流し読みしてしまった。

最悪のはじまりは、

ギャンブル依存症の無職が、パチンコ屋で会った男女に持ちかけられた強盗話により、人生を転がり落ちていってしまう物語。

資産家なのだというおばあさんに金を借りていて、それで何でも言うことを聞かなければならないという女を可哀想だと思い、恋愛感情を持ってしまう俺は、どんどん外堀を埋められ強盗になってしまう。

資産家としか見てなかった俺は、やがて女の義母だったと知る。そして、手に入った金を巡り、男に襲われ、不可抗力で亡くなる。
男の遺言通りに元妻に金を渡しに行き、人から盗んだ金を平然と渡そうとした俺は、襟を正される。

しかし、一度転がり落ちた人生のやり直しは、服役しかないのだ。

『最悪のはじまりは、』
著者 塔山郁
発行元 株式会社宝島社
ISBN 978-4-7966-9618-0

なんか暗い話だったけれど、ギャンブルなんて全くやらない私も、世界がわからないから面白くないなぁと思いながらも、著者の力量で読まされた感じがした。

毒殺魔の教室 (下)

三ツ矢に砒素の在りかを教えた悪い高校生・クーさんは、大輝の兄であった。
担任の甥から取材を引き継いだ蓬田は、当時三ツ矢がクーさんという人から砒素を貰ったと女王に言ったが、受験を控えた女王は黙っていると蓬田に言い、そのまま転校し逃げる。

大輝の音頭で始まった、担任への下剤混入はあくまでもポーズであり、大輝があの日、担任のカレーに混ぜたのはただの水だったと女王から聞き、クラスメートで団結して下剤を飲ませる事で、三ツ矢に対して大輝がしていた事は薄れると考えたのだと知り、大輝の心の闇におののく蓬田。

何故、兄は砒素を三ツ矢に渡したのか?
そこに引っかかった蓬田は、直接、兄に会いに行く。

何でも出来る両親の期待の星・大輝を妬み、下剤を使って有名小学校の入学試験を欠席させた兄は、成長と共に家族全員に砒素を少しずつ飲ませていた。そして、体調を崩した事を気にした父が、検査を受けさせようとしているのを知り、三ツ矢を使って砒素を飲ませる必要があった。
自分の罪を隠す為に。

兄と結婚した女王は、兄を愛してはいなかった。大輝と一番近いDNAを持つ兄と子供を作り、大輝を作りたかった。それは女王の酷く歪んだ初恋。

面白かったです。久々に続きが気になって一気読みでした。
クラスメートって不思議なもので、同じ空間にいるのに、見ているものも、覚えている事も違う。使い古された手法だけれど、それもまた楽しく読めた。
蓬田の実家の美容室に髪を切りに来た大輝の髪を持ち続けているが、切った髪ではDNA鑑定も出来ないであろうこと。それを忘れてしまうほど、弟を殺してしまったという罪の意識。
そして女王の事は理解できないと思ってたけれど、大輝と共に生きていきたかったという女王の気持ちはちょっとわかったな。

『毒殺魔の教室 (下)』
著者 塔山郁
発行元 株式会社宝島社
ISBN ----

毒殺魔の教室 (上)

30年前、小学校6年生の男子がクラスメートを毒殺した事件があった。当時のマスコミはこぞって事件を取り上げ、クラスメートは心に深い傷を負った。
学級委員の楠本大輝が発案した、担任の給食に下剤を入れて驚かせてやろうという、少々度の過ぎた悪戯をしようと計画し、クラス中を巻き込んだ。給食時間に騒いで担任の気を引く係、野次馬の様に盛り上がる係、騒ぎに気付いた他の先生が来ないよう見張る係、そして下剤を先生のカレーに入れる役は、言い出しっぺの大輝が行なった。放課後に練習までして当日、緊張した様子のクラスメートが見たのは、牛乳に入った毒を飲んだ大輝が吐き、苦しむ姿だった。
その日の晩、大輝は亡くなり、クラスは騒然となる。クラスメートは皆、先生の事ばかり見ていたので、誰も大輝の給食に毒を入れたのか分からなかったのだ。

しかし、必ずクラスに毒殺魔は居る。その恐怖は2日後、犯人の三ツ矢が遺書を遺していた事で終結する。担任は辞表を出し学校を去り、クラスメートは何人か転校し、好奇の目に晒されるので、出身小学校の話はせず、生きてきた。

30年も前の事件を調べて回る佐藤と言う若者に、何人かのクラスメートは取材に応じ、当時を思い出して話す。それは、当時語られなかった真実だったのだ。

『毒殺魔の教室 (上)』
     カオル
著者 塔山郁
発行元 株式会社宝島社
ISBN 978-4-7966-7615-1

以下、追記で感想なので、ネタバレする上に主観入ってます。読んでな
い方や苦手な方はブラウザバックでお願いします。
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