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昔日の盈茂

嫉妬も羨望も、相も変われば総て殺意
棘を抜かれて呆けた顔をしている 忘れてはいけない
今も昔も貴様には何の価値も無いことを
雲も空も遠く及ばず底へ其所へとただ深く耽溺していくこの体を空想しては追いやる逃避に酷い充足感と叫喚の涙を溢す この世界はどこまでも溺れていき然りながら歓喜する喚喜する狂喜する 私は咽び、泣いては相好を崩し大笑している
満ち足りた世界だと
頭から生え繁り出した唐蔦に色を持たせ顔の無い笑顔に会いに行く 僕は緑を吐き出しながら(目から、鼻から、口から耳から、孔という孔から)逃げて尚も追いかける これは君の記憶だと 僕らに嘆願しても烏滸がましい腐った汚泥の、掠め抜けていく絡々を、遺して逝けると思い上がった君の君の僕たる部分
僕は君の狡猾諸共愛してやる
だからさあ逃げろ僕の腕から
僕は僕たる君を、私を許しはしない
些末にも価値を探した貴様を、僕を殺そうとした私を恒久として許しはしない
僕は私を愛している 無価値な貴様が愛おしい
私は僕に愛され、沈んだ先の浅瀬で泡を吐きながら波紋を浮かべる 譫言の咒を耳元で紡ぎ拓いた咽を縫い留めていく指 愛でられ 潰れた声で大口を空ける度過剰な楔と枷と泥と言と触とが捩じ込まれていく
感覚に跳梁し 吐瀉し、また薄ら笑う
無価値な私が愛おしい 私は満ち足りている僕の世界に殺される 殺される私が愛おしい 殺す自分を愛して止まない何度でも何度でも何度でも何度でも僕は私を殺しつづける君たる私が欠落するまで何度でも何度でも何度でも
忘れてはいけない この閉塞した個体こそ私が愛した妄想なのだと
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