7月5日
4回目の発信
これがだめなら
メールで想いを伝えて
さよならにしよう、と決めていた
4コールを過ぎて
もうだめだ、と
唇を噛んで、そっと目を閉じた
あと数秒で、一方的に始まった恋が終わる
“さよなら、課長”と覚悟を決めた
8コール目
コール音が途切れて、雑音が耳に飛び込む
ドキン、と胸がはねて
「もしもし」と、呼びかけた
洗濯機が壊れて、コインランドリーに来た、という課長
次の日、仕事だからと
洗濯が終わって、マンションまで車で帰るまで30分の電話
疲れたような声
『ちょっといろいろあってね』と課長は言った
「いろいろ、、、」と、なにも聞けない私
オーヴォが近所でやるから
『行けたら行きたい』
『3年前も行って、すごく良かったよ』と言う、課長
その3年前は、
わたしが、初めて、課長のことが好きだと打ち明けたバイトさんから
課長には彼女がいて、クーザを観に行った、と聞いた
まさにそのこと。
きっとまた、彼女と行くのだろうと
やっぱり、彼女と続いてたんだ、と軋み始める心
『○○さん(私)も、行ったら?
友達と』
「そうですね、、、」としか返せない私に
とどめを刺したのは
電話を切る直後の『元気でね』という言葉だった
もう忘れるのが正解なのか
きちんと、想いを伝えて、けじめをつけるべきなのか
どうすればいいのか
ある人に相談したら
きちんとやりきりなさい、と
あなたが、変われるのであれば
まだ可能性はゼロじゃない、と
なにより嬉しかったのは
課長のことを
「人の痛みがわかる良い人だ」と言ってくれたこと
占いのようなことなんて、どこまで信じれば良いかわからない
馬鹿らしいと笑う人もいる
だけど、
もう諦めなさい、と言われるばかりの中
わたしは、その人のことを信じてるから
その人に背中を押されたのは、とても大きなことだった
話題:片想い