「ねぇ、好きな奴いるの?」

この際だからと思って、訊いてみた。

「そりゃいるよ」

「え、マジで?」

「いるでしょ…それなりの年月生きてるんだから」

「それもそっか。ちなみに誰とか」

「言うわけないだろ」

「はは、ですよねー…」

陽が落ちていくように、空は赤い。

「…じゃあ、さ。明日世界が終わるとしたら、なにする?」

「この流れでいくと、好きな人に告白ってこと、かな?」

「明日世界が終わるとして。それで、告白するとしたら誰?」

「そうだね…明日世界が終わったら、言うかな。でも世界は終わらないじゃない」

「あー…それもそうか」

「残念でした」

「じゃあ、今日君が死ぬとしたら、でどうかな?」

「んー……そうだね。それなら言うしかないか」

「誰?」

ちょっと困ったように君が笑った。

「もう、知ってるくせに言わせようとするんだから」

「知ってるけど、確かめたいんだよ」

「…そうだね。言葉にしないと伝わらないよね」

一拍置いて、君は言う。

「あなたが好きだよ」

「…うん、知っている」

二人で顔を見合わせて笑った。血溜の中で、笑った。

もう手も動かせなくて、君に触れることも叶わなかったけれど、それでも幸せだった。

「あなたも言って?」

「君が好き。世界中の誰よりも、一番愛してる」

「…嬉しい」

世界は終わらない。だけど、僕らの世界は確実に今日終わる。

僕らの命は、もうすぐ終わる。

「世界も一緒に終わってしまえばいいのに」

ぽつりと君がそう言った。

火薬のにおいで満たされた、血と炎で真っ赤に染まっているこの世界の空を見ていた。



―――そうして世界は終わる




end.
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なんとはなしに書いてみたかっただけなので、意味ない!
がっと書いた20分クオリティです。反省してない。
性別不明で書きたかったけど難しいねー無理でした。
口調安定してないのはそのせいです。まぁ一人称僕って女の子もいるし。
想像次第ではなんともなる……か?(笑)
満足したし眠いから寝よう。