久しぶりに池袋に行ってきました。去年、マジェプリ見に行って以来だから、九ヶ月ぶりくらい? 平日でしたが、わりと人が入ってましたね、映画館。
にしても、こちらへの書き込みは大分久しぶりですが、何しろTwitterじゃ全然書ききれないので、こちらでガンガンネタバレ感想を書かせていただきます。
※次ページからネタバレありなので、お気をつけ下さい
プリヤ ドライの七、八巻の士郎回想ストーリーですので、士郎と美遊との出会いから始まりますね。
切嗣も出てきますが、イリヤ世界やzero、snのそれとは違い、アイリさんと出会っていないせいか、殺伐な感じ。妻や娘の存在のデカさが計り知れないです。魔術師殺しの切嗣がそのまま第四次聖杯戦争に参加していたら、こんな感じだったかもしれない。でも、士郎を助けた時の表情は、やっぱり切嗣さんだなって気がします。
士郎に“正義の味方”を託すのは一緒ですが、そこに“美遊”という明確な“手段”がある分、こちらは蝋燭の炎がふっと消えるようなzeroやsnと違って、最後までギラギラしていたイメージ。実子のイリヤや妻であるアイリさんを“使う”事を最後まで嫌がっていた切嗣とは、その辺が真逆でしたね。
本編での一成と慎二を足したような立場にあるジュリアン。士郎に悪態つくとこは慎二で、餌付け(笑)されてるのは一成ですね。
曖昧な言い方した士郎が悪いとはいえ、幼女可愛い。と言った士郎につっこみをいれたり、逆にほっつき歩いてたエリカを士郎に見られた事に動揺して茶をこぼしたりと、年相応の幼さで出ていた所が可愛かったですね。これがギャップ萌え(笑)
まあ、生憎後半はそんな事言ってられませんが。
作中で士郎自身が言っていますが、ジュリアンが選んだ道は、士郎が切嗣に示され、辿ったかもしれない道筋で、鏡を挟んだかのような演出が好きです。万華鏡というタイトルに相応しいですね。
ちなみにコミックであった、ジュリアンのキラキラネームな偽名への突っ込みはありません(笑)。
チビ美遊は情緒の発達が第一期の頃より更に幼い……というか、小動物っぽいですね。それがゆっくりと少女……神稚児から人間に堕ちていく様が愛らしいです。
まあ、美遊の天然というか、ちょっとずれてるとこは士郎の育て方に偏りが出てたせいですから、そこは少し反省してくださいね、衛宮親子(笑)。
さて、私はsnのゲーム未経験なので、桜の性格についてはUBWのものしか知りませんが、こちらの桜は士郎に対しての愛情表現が本編以上な感じ。
士郎との日常を何より幸福だと言葉にし、共に逃げようと語る彼女は、本当にいじらしく健気。なので桜ンスロットになった桜が痛ましくて痛ましくて。慎二に殺されるシーンも、わかっていたとはいえ、うぅっとなりました。
言峰ですが、本編がシリアスなのでラーメン屋のおじさんルックはありませんでした。そこは残念。
士郎に対してあんまり嫌味っぽくないというか、外道度がいくらか減なので、普段の言峰好きな人にはちょっとものたりないかも。まあ、黒鍵高値で売り付けて、士郎に似非神父呼ばわりされてる辺りは結構気に入ってますが。
アサ慎二は神谷さんが、さすが神谷さん!
と言いたくなる怪演が最高でした。神谷さんは絶対年を重ねるごとに慎二の演技に磨きがかかってると思う。
何気に直接バトルはやらない慎二の、数少ないバトル。アサシンの夢幻召喚の気持ち悪さったら半端ないですが。
個人的には士郎のことを“衛宮”と呼ぶとこが好きです。この世界のふたりは友人でも何でもない赤の他人ですが、ちょっとだけsnの二人を思い出されて切なくなります。
置換魔術による、士郎しか生者のいない聖杯戦争。コミックではアサ慎二のあとはセイバーのザガリーまでカットされてましたが、映画では短時間とはいえその戦闘が描かれています。
バーサーカーはいませんでしたが、キャスター、ライダー、ランサーが出てきており、それぞれsnのキャスターの最初のマスター(すまん、名前が出てこなかった)、雁夜おじさん(何故にライダーだったのか。あと髪がsnライダーなみに長かったので、声優さん見るまで誰だかわからなかった。左右の目の色が違う白か銀髪で、声優が新垣さんのマスターって他にいませんよね?)、ケイネス先生(体の半分が礼装の水銀ちゃんに覆われてましたが、三人の中ではほぼ唯一まともに会話してた。あと、ディルムッドではなく、クー・フーリン衣装でしたな)と、他Fate作品ファンにも嬉しいサプライズでした。
さて最後に、プリヤ世界では脇役ながら今映画では主役をはった士郎さん。
snと違い、皆のための正義の味方ではなく、美遊を守る“悪”を選んだ士郎。
zeroの切嗣が選べなかった道を選んだ士郎は、他の士郎とは違うけれど、やっぱり士郎だなと思いました。
けして後悔はせず、ボロボロになりながらも聖杯に……美遊に、幸福になってほしいと願い、平行世界へ旅立つ美遊を見送る士郎に泣きそうになりました。てか涙ぐんだ。終わった後で周囲(男性客)からも泣きそうになった。という感想が聞こえてくるくらい、格好良かったです。
ギルガメッシュなアンジェリカとのバトルも素晴らしかったです。UBWを思い出す、でもあれとはまた違った戦闘シーンでしたね。UBWではセイバーや凛がいましたが、この世界の士郎には美遊しかいなくて、一緒に戦うのではなく、守らなくては。という思いの差も出ていたように思います。
タイトル詐欺並みにヒロインがでておりませんが、それはまた追々出てくれるだろうと気長に待ちつつ。
プリヤしか知らない人はこれを機にsnやzeroも見てもらい、逆にプリヤを知らないFateファンはここからプリヤに入門していただき、それぞれまた別の広がりを見せたらいいなと思います。
ここまで長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。