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申し訳程度の時事ネタ


「昨日はバレンタインだったわね」
「お? おう」
「あなたはいくつ貰ったの?」
「母ちゃんと妹からだけだなぁ」
「ふーん…」
「…なんだよ」
「身内からしか貰えなかったあなたにこれを恵んであげるわ」
「え」
「スーパーで値段が下がっていたのよ。本当は自分で食べるつもりで…」
「すげー嬉しい…、ありがとう…」
「……どういたしまして」

無題

人を騙すのに嘘は必要ない。
必要なのは信じさせることだ。

文字に巣食われる

とかく、彼は本を読まずにはいられぬ状態となってしまったのである。
そのような暇があるはずでもないにも関わらず、何としてでも時間を捻り出して本を読み漁って、読み終われば次のものをという具合である。

彼は、ときどき自分がまるで塩水を飲み続けているように感じられた。
さらに乾くとわかっていても、その喉に何か液体を通さずにはいられない。飲み干してしまえば次に手を伸ばさずにはいられない。
暴力のような激しい衝動に打ち勝つ術など、持ち合わせてはいなかった。

無題

「人ひとり」は「人生ひとつ分」と相違ない
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