以前、終盤近い所まで観て寝落ちしたギルティを改めて最初から鑑賞しました。以下、粗筋と感想。



警察官のアスガー・ホルムはある事件を機に現場を離れ、緊急通報司令室のオペレーターとして勤務していた。交通事故の緊急搬送手配などをこなす毎日を送っていたある日、誘拐されている最中の女性から通報を受ける。


最初から最後まで場面は緊急通報司令室から変わりません。登場人物に関しても名前は数人出ますが、実際に画面に出て来るのは主人公のアスガーとほぼ背景と化している同じオペレーターだけです。残りはアスガーとの通話で会話するのみです。明らかに低予算で制作されたのが解ります。それだけに俳優サン達の演技が重要になって来ますが、演技も素晴らしかったですし、面白い映画でした。通話から聞こえてくる人の声、雨の音、ワイパーの音、遠ざかっていく足音等、聴覚でのみ情報が把握出来ないのですが、逆に音の中に全ての情報が集約しています。その場面は見えないですが、割と会話と音で頭に描く事が出来ると同時に想像力が試されます。聴覚で得られた情報だけで自分の想像したものはどれだけ現実或いは真実に近付けているのか。しかし、どれだけ想像してもこの映画の真実には驚かさせられる人の方が多いのではないでしょうか。ヒントって1つだけな気がします。あれだけで解る人居たら凄いわ。ギルティの様に殆ど1ヶ所での撮影で映画を成立させるの非常に難しい事だと思いますが、面白くさせるのは本当に凄い事です。最後にアスガーは誰かに電話をかけてこの映画は終わるのですが、相手は誰なのか分かりません。想像させる映画は想像で終わらせると言う幕引きまで素晴らしい映画です。



(詳録210325)