アンジェリカはアイエスから戻って来た女だった


子どもも含めてたくさんの人を殺していた

本当ならば当局に捕らえられ、裁判を受けて死刑になる身だった

そのことを地元の神父に隠してISのイスラム教から、キリスト教カソリックに改宗していたが、

夜になるとアンジェリカは悩みに我を忘れた


自分が手をかけた罪のない子ども、大人の断末魔の声、顔、仕草が蘇ってくる


天使様、私は毎夜、赦しを乞うていますが、

それはやはり、いけないことでしょうか?


私は地獄のれん獄に行くのでしょうね?

私は、魂のある限り、死んでも生きても、
己れの犯した罪に苦しむのでしょうね?


アンジェリカ、あなたは未来永劫、赦されはしない、しかし、赦しを乞うことは認められている。


この詞を聴いたアンジェリカの頬に、滝のような涙が流れ出しました


苦しみと一緒に生きるのだ、と思った


まだ生きていることを感謝せねばならないだろう


あの子どもの母親の気持ちになってみたら、、、


あの青年の父親の気持ちになってみたら

私を同じ目に合わせたいだろう


神も人も、私を許さない


私も決して私を許しはしない

だから懺悔の生を生きねばならない


では何故、アンジェリカは
イラクに渡り、ISに身を投じたのか


アンジェリカの生まれ育った家庭は裕福ではあったが、精神的な飢餓があった


父親はアンジェリカが11歳の時、酷い交通事故に遭った、それから人が変わってしまった

車椅子の人となって意地悪い視線を世の中へ向け、ありとあらゆるものを憎悪した。

わが子もまた同じだった

優しかった父親の、アンジェリカは秘蔵っ子だったのに、

アンジェリカの光輝く世界は闇のようになってしまった


ようやく父親の態度にも慣れたと思われた頃、

耐えられないでいた母親が家を捨てた、
今でも、ストリートで男達と暮らしているのをかいま見る


ある日、突然にホームレス姿の自分の産みの親と出くわした時の驚愕。恥ずかしさ


アンジェリカには兄もいたが、兄はこの頃から道を外れだした。
ある晩、アンジェリカを襲おうとした


必死に抵抗し、逃げ出したアンジェリカは最後の一線を守ったが、下着までぼろぼろ、心はすっかり荒んでしまった



続く〉