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最果ての歌

ふーさん、東北ぶらり旅3日目の巻。










昨日の二日酔いとは似て非なる余韻が絡みつく盛岡の朝、足早にカプセルホテルを出ては路線バスに揺られる。このぶらり旅のそもそものきっかけであり、目的である松尾鉱山跡を目指して。






海を溢したような晴天には不釣り合いに佇む集合住宅跡。かつては鉱夫やそれに付随する人たちで賑わっていただろう。しかし建物までの道のりが辛い。背丈を越えるほどのすすきに視界を塞がれたのは、木の枝で傷を作ったのはいつぶりだったか。サンダルで踏み入るのが全く阿呆だった。






気温とはまた違った類いの冷えた風が通り抜け、下界の残暑など素知らぬ顔のアキアカネが秋を告げる。遠くから鳴るピアノが、死んだコンクリートに染みてはすぐに消えてしまった。この世の果てかあの世の扉か、はたまた発展という近代宗教の殉教者を奉る大聖堂か。






集合住宅跡が大聖堂ならこちらは教会か、隣接する学校の体育館跡。足を滑らせる拍子にBB弾とガラスの破片が粉塵を上げ、カラカラと残響を残して散らばる。こんな場所にはお誂え向きの聖歌だ。写真だと見えにくいが、ご丁寧にオルガンに後光まで差している。






なお松尾鉱山跡については追記するかも。








盛岡に戻り帰りのバスを待つ間、好きな場所へ行くことに。駅前と市街地を結ぶ開運橋、またの名を二度泣き橋という。盛岡に訪れてこの橋の上でホームシックで一度泣き、離れるのが辛くてまた泣くらしい。なるほど、二度泣きか。


帰りのバスの窓から、雲を燃やしたように真っ赤な夕焼けを見た。それを横切る街灯や送電塔が、サヨナラのリズムを数えていた。










あなたも、あなたも、あの人も、あの綺麗な夕焼けを見ていたのなら好い。


出会いの歌

ふーさん、東北ぶらり旅2日目の巻。











繁華街の朝。二日酔いをお供に、ばーぐ主催で急遽決まった仙台オフの待ち合わせ場所へと向かう。一目でわかるそれらしい集団に合流。以下がその面子の簡単な紹介である。



・ばーぐ♂ 全体的にドイツにすりより気味な男。キャラにするほどハゲてなくてなんかガッカリ。


・文月♀ 岩手のふーちゃんと覚えてもらえればいい。なお変態の腐ーちゃんでもあるようだ。


・由宇♀ ふーさんと壮絶な指バトルを繰り広げた猛者。ゆるふわとしたふいんきは嫌いじゃない。


・ビスケット船長♂ 福山を越える低音ボイス、DT松本を越えるトークスキル、松崎しげるを越えるこんがり肌を持ち合わせたパネエ人(※本人の希望により3割増)。


・ふーさん♂ 単なるボウフラ。サンダルに小石が入っても平然と歩き続けるスキルに自信あり。



こうして集まったきな臭い5人、当然のごとく無計画。思いつきで行ったランチが閉まってたり、すれ違ったモデル級の美女をビスケット船長とソフトストーキングしたり、オサレ腐ったダイニングバーで昼間からアペロール片手に駄弁ったり、そしてプリクラを撮ったり。

女子2人がプリクラに文字を描いてる間、男3人で握力を測るマシンに挑戦。そのときふーさんが叩き出した桁違いの記録はしばし忘れられないだろう。


特段金をかけなくても時間を忘れ、集団でいても自由と思える関係というのは尊いものだ。ましてやこちらの都合で振り回してたにもかかわらず。感謝の意をこめて盛岡行きの車窓からお見送りしてくれたみんなに、韓流スターよろしくのスマイルをきめて仙台を発つ。









ところ変わって夜の盛岡、ある友達と合う。ここでもまた狙っていた店のひとつは定休、もうひとつは予約で満席で、振り回してしまった上こちらののらりくらり加減を露呈してしまう。最終的にあちらの気遣いで違う店へ行くことに。


銀河高原とベアレンが歩き疲れた心身に染み渡る。今回の目的のひとつにしてただけはある。こんなに地ビールに恵まれた地を好きにならないはずがない。その友達は数年前からの腐れ縁、いわば特別ともいうべき存在だ。なのに緊張のせいで後になって話したいことが湧き出てしまう。思い出に会いに行くことが愚かな行為だとしたら、その日の俺は半分愚か者だった。今度は少しだけまっすぐ目を見れた、やっぱり綺麗だった。目標が少し変わった。







そして仙台から盛岡に戻ってきた文月、いや岩手のふーちゃんと今度は二人きりでオフるべく街をうろつく。ふーちゃんの提案でなんとも昭和情緒漂う、レトロ臭さ満点の店へ入る。ラムネとかメダカの佃煮とかが店長殺しの価格で置いてあるんだぜ。


森見登美彦に倣って電気ブランをすすりながらブログ繋がりのみんなの話に花を咲かせる。ここでは話せないような真面目な話も、ふーちゃんの将来的な夢や悩みも、共通の話題であるレトロへの憧れも、夜を豊かな色にしてくれる。ふーちゃんと交流してた期間は短くはないが、この日でほんとに出会えたような心地だ。そしてふーちゃん同盟を組み、二人のふーちゃんは帰路に着いた。













わけもないのに輝く、それだけで愛のしるし。


乾杯の歌

ふーさん、東北ぶらり旅レポの巻。










高速バスにて福島から仙台、そして松島にてフェリーに乗り、カモメたちとのふれあいタイム。数年来のささやかな夢だった。五感に刺さる群青の潮風、波に軌跡を残すモーターの轟音、甲板を覆うカモメの影。ここ5、6年は海を知らない身には鮮やかすぎる洗礼だ。あいつら背後から指ごと持ってく勢いで餌を掠め取りやがる。





帰りがけに海岸沿いの店で焼いたつぶ貝を食べる。聞き慣れないローカルラジオ、子供をあやす母親らしき店員。イカを焼くババアが古い歌を調子外れに歌う。日が沈み始め、灯りで火照る松島海岸は異郷の匂いで満ちていた。





仙台に戻り、オクトーバーフェストというドイツ由来のビールの祭典にひとり繰り出すことに。ドイツ民謡を演る楽団を囲んで踊る有象無象。それを横目に飲むヴァイツェンはあっという間にグラスから消えていく。そして旨味と香りは後を引き、ひとりの夜は微熱を帯びる。



見た目から入ったり評判から入ったり、或いはバーで偶然出会ったり。甘いも苦いも味わって、進めば進むほどクラッときてきもちよくて。それに酔って更に進めば、頭を痛めて自分の立ち位置も曖昧になり、自分の中身をもぶちまけたくなる。そうして痛い目をみても、「もっとあなたが知りたい」「深くまで愛したい」と、気がつけばもう戻れない。これは恋ですか?




いいえ、ビールです。

移民の歌

ふーさん、ブログリからエムブロに移転したでござるの巻。










・これを期に文体というかブログの書き方を少しずつマイナーチェンジしようかと。前のままだと変に冗長で煩わしいし、なにより書き続けるのが億劫になっては元も子もないではないか。




・エムブロ慣れれば使いやすいのか。複数の画像をあげるのに一手間、記事を保存しつつ連ねるのにまた一手間。ブログリに慣れ過ぎただけな気もしないわけじゃない。




・実はこの記事の前に密かにテスト的な記事をあげていたのだ。それをある一人に見られてしまった。と思いきやふーさん自らブログリのほうにここのリンクを貼っていたことを思い出す。密かにする気あったんかこの糸クズが。まあそれは近々まとめて記事にしようか。




・知ってる人も多いだろうが、ふーさんは少し旅行に行っていた。レポりたい衝動が止まらないうちに書いてくよ。なので次からは「ふーさんと愉快な仲間たちの東北ぶらり旅編」、はじまるよ。








それじゃ改めて「月ノ裏六番街跡雨傘通り」、よろしくお願いします。

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