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【element】この世界にバレンタインはあるのだろうか(…)

バレンタインネタ。会話文のみ、基本的にオチはありません(汗








【case1. ロックとエリィ】

「ロック、今日はバレンタインって日だってリピート達から聞いたんだけど」

「え、う、うん。」

「……これ、受け取ってくれる?」

「! ぼ、僕にくれるの? 本当に?」

「うん(なんで疑ってるんだろう…?)」

「あ、ありがとう。(ガサガサ)…わあ! これもしかして手作り?」

「うん。昨日、リピート達と一緒につくった」

「そうなんだ。……他の人…というか、…シングやセイルには渡さないの?」

「街で買ってきたチョコを渡すことにしたよ。手作りのは、セイルにはリピートが渡すからわたしはいいかと思って、つくってない」

「……じゃ、じゃあシングには?」

「シングは毎年シルフィーといちゃいちゃしてるから……ってリピートが言ってた。だから、セイルと同じで買ってきたのを渡すつもり」

「……そ、そっか(ほっ)。それじゃあ、僕にだけ…なんだ」

「うん」

「……(な、なんか今更ながらに照れくさくなってきたぞ!)そ、それじゃあ! …いただきます(ぱくっ)」

「…………どう?」

「……うん、凄くおいしいよ! 甘さがちょうどよくて、食べやすいし」

「……良かった」

「あ、あの。……本当に、ありがとう。エリィ」

「……うん。わたしの方こそ、受け取ってくれてありがとう」

「……」

「……」

(……な、何だかこの空気、妙に気恥ずかしいんだけど!)



【case2. シングとシルフィー】

「はい、シング。いつものこれ」

「ん、ありがとな。毎年毎年」

「……ま、まぁね。私、お菓子つくるのは好きだし、シングには昔から渡してきたし…」

「そういえば。……これってさ、結局義理なの? それともほんめ」

「そういうことは気にしないのっ!! ほら、早く食べて感想聞かせて! これからのお菓子づくりの参考にするからっ!」

「え、他の誰かにお菓子渡す予定でもあんの?」

「!! …な、ない…けどっ」

「……ふーん?(にやにや)」

「も、もう! なによその顔…っ! ……ばか」



【case2. セイルとリピート】

「……あのー、セイル? セイルは今日が何の日だか知っているですな?」

「! …………知らん」

「いや今明らかに知ってた反応だったですな!何でしらばっくれるんですな!?」

「う、うるさい。知らんと言っているだろう!」

「……そうですな? じゃあ、今日が何の日か知らないセイルには別になにもしないしあげないことにするですなー」

「!!」

「昨日の夜エリィ達とつくったこのチョコ、どうしようですなー。他の誰かにあげるしかないですなー? ……うん。そうするですなー(スタスタ)」

「……おい。待て」

「……なんですな? なにか用ですな?」

「……わ、わざわざ貰い手を今から捜すのは骨が折れる。お前のものを受け取ってやる人間なんて希少だからな……。

――…お、俺が、……貰って、やる」

「……そうですな? じゃあ、セイルにあげることにするですな」

「ああ……そうしろ」

(……ほっ。ありがとうですな、セイル)



【case3. リーブとカヤナ】

「リーブ様。お忙しい所をすみません……わ、渡したいものがあるのです」

「うん? 何だい」

「こ……これ、です」

「……! これは……そうか、今日はバレンタインデーだったね。仕事ばかりしていたから、忘れていたよ」

「はい……リーブ様はきっと、ギルドの方からも沢山貰えると思いましたが……でも、だから……その」

「いや、嬉しいよ。ありがとう、カヤナ」

「は…はい…!」

(他の誰からでもなく、君が一番にくれて嬉しい)

(他の誰からでもなく、一番に私のチョコを受け取って欲しいだなんて…そんな身勝手な気持ちを汲んで下さったんだわ)


「――ありがとうございます。……リーブ様」



【case4. シディとベリル】

「……お、おはようオブシディアン。いつも早いわね」

「おはよーベリさん。まぁねー。昔の仕事柄、朝は早く起きるのが習慣づいてるんだよね」

「そ、そうだったわね……」

「ところでベリさん、後ろに隠してるのは何?」

「!!! い、いいいいいえ、なにもそんなっ、隠してなんかないわよ!?」

「嘘下手だなぁ」

「う、嘘……なんか…!」

「吐いてないって言うの?」

「う……それは……」

「ベリさんって本当に正直者っていうか、素直だよね。隠し事は絶対出来ないタイプでしょ」

「……否定はしないわ」

「じゃあ結局、その後ろのは何?」

「うぅっ……!! こ……これは……その……」

「まあ、別に滅茶苦茶気になるーって訳でもないし。オレに話したくない事だったりするなら、いいんだけどね」

「……!」

「それじゃ、オレはこれで……って、え?! なんでオレ殴られてるの?」

「なによ! 隠す姿があからさまだって言うんなら少しは興味を持ってくれたっていいじゃない! オブシディアンの……バカっ!(ぽかぽか)」

「ええぇー? なにそれ……(やっぱりベリさんってよく分かんない人だなぁ)」



【case5. コルトとイメリア】

「……(そわそわ)」

「……あ、コルト。ここにいたのね」

「! な、なんだよ突然。俺を捜してたのか?」

「ええ。これを渡そうと思って」

「……」

「今日、その。バレンタインデーだから……コルトには昔からずっと迷惑かけてばっかりだし……だから、その……感謝の気持ち」

「……」

「……それとも、毎年毎年迷惑に思ってたり…する?」

「……いや、そういうわけじゃねえよ。……貰えるもんは貰っておく」

「本当? ……ありがとう、コルト」

「……(あいつには渡すのか、なんて聞けるわけねぇだろ……)」



【おまけ。リーブとアッシュとセフィ】

「はい、リーブにこれあげる」

「あ、ありがとうセフィ。……いいのかい? アッシュより先に僕が貰ってしまって」

「いいの。だって先にアッシュにあげちゃったら、今度はリーブに渡せなくなっちゃうんだもん」

「ああ、確かに…」

「おい、今俺の名前呼んだか?」

「ひっ! い、いやアッシュ。突然だね……びっくりしたよ」

「何だよその間抜け面は。……!」

「(ま、マズい! アッシュの視線が完全に僕が持ってるチョコの方へ…っ!)じゃ、じゃあ僕はいったん家に帰」

「(ガシッ)おいリーブ。お前が今大事に抱えてるソレはまさか、セフィから受け取りやがったのか?」

「ま、待て! 落ち着け! 地味に本音が滲み出ちゃってるぞっ!」

「落ち着けだぁ? 俺にんな偉そうな口を聞くなんざ、お前も偉くなったもんだな」

「いや…僕達の身分に優劣はないだろ?!」

「ハッ、馬鹿言うなよ。俺がお前を同列に見た時なんて一瞬もねぇ」

「こーら! いい加減にしなさい! そんなイジワル言うようなアッシュにはチョコあげないからね?」

「……チッ」

「ふう……(やっぱりセフィの言う事は素直に聞くんだなぁ…)」




おわり。


最後のおまけは何だかんだで書きたかったネタ。
セフィが本編で全然出番がないからね! 仕方ないんだけども!orz



それにしてもツンデレ多過ぎである。

【僕と先輩】ハロウィンネタ

日付ギリッギリのハロウィンネタ。
『僕と先輩』の明日葉・櫂斗の小話です。






『Give me trick』



「後輩君。トリックオアトリート」
「……」
いつもの教室に入って開口一番。先輩は満面の笑みで僕に告げた。

そういえば今日はハロウィンだった、お菓子持ってないなどうしよう…なんて事はない。僕は今日という日をしっかりと覚えていた。
準備は抜かりない。

持って来ていた苺味のキャンディを平然と渡す。と、それまでキラキラしていた先輩の瞳がすうっと細められ。

「ちっ。覚えていたか」

先輩は本気で悔しそうに言うと、僕に興味を失ったのか背を向けてどっかりと座り直した。

「…そりゃあ、一週間前から普段以上にご機嫌でしたから。先輩が楽しみにしそうな事を想像すれば理由は明白ですよ」
いつも以上ににやにや僕を見つめたり、絵を描いている僕を盗み見ながら鼻歌したり、僕に関する何かがあるのだろうと想像がついた。
ハロウィンなんてお祭り事、僕自身にはそんなに親しみはないのだけれど。先輩なら楽しみにしそうだし。

案の定、先輩は今日という日を待ち望んでいたのだろう。あえなく目論見が打ち砕かれて拗ねたのか、こっちを振り返る素振りも見せない。


「…先輩」
このままだと非常に居辛いので、とりあえず呼んでみる。すると僅かな間の後に、先輩から反応が返ってきた。
「……私は今日を楽しみにしてたんだぞ。一年に一度しかない、せっかくの日なのだからな…。だというのに君という奴は…少しは乗ってくれてもいいだろう」
いつになく落ち込んだ様子で呟く先輩にちょっと調子が狂う。
でも乗ったら乗ったで今度は僕の身に危険が及びそうなんだけど、それに関しては保証してくれるんだろうか…。


――…仕方ないな。

僕は心の中で溜め息をひとつ。そして先輩にそれを告げた。


「トリックオアトリートです。先輩」

ぴくりと先輩が反応を示し、次いで振り返る。その表情は…とても嬉しそうな笑顔だった。悪戯っ子めいた笑み……悪戯?

……なんか…嫌な予感が……。


内心、やっぱり言わなきゃ良かったと後悔する僕を尻目に、先輩はとぼけた声で呟く。

「ふむ。持ってないな」
「…は…?」
「これはこれはドジを踏んだようだ。『うっかり』お菓子を持ってくるのを忘れてしまったよ」

うっかり、をわざとらしく強調する先輩の真意は明らかだ。絶対うっかりじゃないっ、わざと持って来なかったんだ…!

「じゃっ、じゃあ、僕が渡したキャンディあるでしょう。それを下さい」
「イ、ヤ、だ。一回君がくれたものを返品などするものか。

…さて、そんな訳で私は君にお菓子を渡せないのだが」

にんまりといやらしく顔を歪める先輩は、輝いていた。…色んな意味で。



「君は私に、どんなイタズラをしてくれるのかな?」


――…ああ、僕は先輩の罠にまんまと嵌ってしまったらしい。

やっぱりこの人には色んな意味でかなわない。
僕は一年に一回のハロウィンで、今一度思い知らされた。



…どうしよう、悪戯。




end.


櫂斗の明日葉への悪戯はご想像にお任せします(ぁ
後管理人は英語ほんと駄目なんで、タイトルの文法が(ry)とか有ったとしても生暖かくスルーしてやって下さい(>Σ<)
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