ジョーカー観ました。中々、タイミングとか気分とかで観れてませんでしたが、やっと観れました。そう言うのはジョーカーには限らずなのですが、今は映画館にも行くもの難しいのでぼちぼち観れたらと思います。そんなこんなで以下、あらすじと感想。


コメディアンを夢見るアーサーは精神的な病や貧困の問題を抱えながらも一緒に暮らす母の「どんな時も笑顔で人々を楽しませなさい」という言葉を胸にゴッサム・シティでピエロの仕事をしながら僅かな御金を稼いでいた。そんなアーサーは仕事中に不良達に暴行を受け、その際に生じた店側の損害費を要求され、遂には仕事を解雇され、帰りの地下鉄で又しても暴行を受けると言う不幸に次々と見舞われる。社会から見捨てられたアーサーはやがて、越えてはならない一線を越えてしまい、そこから徐々に狂気に身を染める悪のカリスマへと変貌を遂げていく。



とても暗い話で子供には見せてはいけないとまで言われた内容でありながらも、アカデミー賞でノミネートされ、アーサーを演じた主演のホアキン・フェニックスが主演男優賞を受賞する等、高い評価を受けた怪作です。実際、観てみると本当に暗い話で希望も救いもありませんでした。現状から脱する糸口や助けてくれる、支えになってくれる人が誰か1人でも居てくれたのならアーサーが狂気に転落する事ももしかしたらなかったのかもしれませんが、僅かな可能性も容赦なく無情にも潰えていきます。最早、アーサー1人ではどうにか出来る問題ではなく、アーサーがジョーカーと言う悪になるのも必然だったと言えます。ここまで救いがないとアーサーが言う様に悲劇ではなく、喜劇の様に思えて来ます。DC作品ですが、シリーズやジョーカーと言うキャラを知らなくても初見で観れる映画になっています。斯く言う私もDCはほぼ観た事がなく、バットマンビギンズを昔に観た事があるのですが、記憶は殆どありません。しかし、今作を観るには問題は一切ありませんでした。ジョーカーとバットマンの因縁が描かれていたのが、後で知って驚きましたが。ジョーカーのオリジンストーリーで予備知識がなくとも支障がない事もありますが、その過程があまりにもリアルで決して他人事ではないからです。今やバットマンの永遠の宿敵であるジョーカーですが、以前は病気を患い貧しいながらも夢を見る普通の一般人であり被害者だった訳で、そんな人間が悪に落ちてしまい加害者になってしまう状況は隣人或いは自分自身がジョーカーになる可能性はあるかもしれないからです。そのリアルな描写は心に刺さる所か抉られます。しかし、希望も救いもなくどうにもならないどん底の中で絶望した人間がなるべくして純粋な悪のカリスマになるのはジョーカーのオリジンストーリーとしてまさに相応しい映画だと思いました。そりゃあ、なるわって思う。主にゴッサム・シティの治安があまりにも悪いのが大きな要因になっていますが、架空の都市でありながら、治安が悪いと言えばゴッサムの名前が良く上がるのですが、抑々、何故こんなにこの都市の治安が悪いのかとザっと調べたら最初に「アメリカだから」って出て来ました。アメリカ治安悪。ホアキン・フェニックスの演技もそうですが、吹替の平田サンの笑い方も凄かったですね。最初、平田サンの声が合わないかと思ったのですが、観てたら全く気にならなくなりましたね。流石です。暗い話と知りつつ、祖母と鑑賞してしまいましたが、面白かったと言って下さいました。アーサーが冷蔵庫に入るシーンとか笑ってましたもんね。良かったコメディ映画で。



(詳録210809)