続き〈


そうして、何ら罪もない大多数、何十もの家族を

殺戮したに違いないのだ


頬には笑みを浮かべながら 口元ではアラーを唱えながら


アラーはそんなことを一切、望んではいない

間違った教育ほど恐ろしいものはない


遂に私は砂漠を越えて、脱走した


もうひとりの黒い青年と


シリア

 フランス


アメリカまで帰って来れたのは、

ぎょうこうに等しい

私の肌は7回、生まれ変わった
逃走中の激しい日焼けがそうさせた


私は生まれて初めて、生きたい!と願った

生きて、生きて、生き延びたいと

砂漠の地平線を見つめた


もう一度、アメリカの大地を見たいと願った


偶然と奇跡が重なって私は今、ここにいる


だから、神々に尋ねてみたかったのだ


私のように13人をも殺めた人間でも、生きていていいのか?と

戦争状態であっても

それは許されるのだろうか?


私にはわからない


天使様はおっしゃった


許されはしないが

許しを求めることはかまわない、と



   終