丸1日が過ぎた。
「奥底に眠りし白き御霊よ」
真剣な表情で術式を編み上げていく。
「うんうん、中々筋が良いね」
「ぷはーっ!もうキツいよぉぉぉぉぉ」
何発か打った後でとうとう座り込んだ。
「お疲れ様、良く頑張ったね」
「もー、ファルヴァル先生よりスパルタ!」
ふぅと息を吐き出し、練習場から出てきた。
「今日はここまで!」
「わぁい、やったぁ!!」
タタタっと駆け出し、鞄を持って来ると
「じゃあ、また明日!」
ペコリと頭を下げてニッと笑った。
「うん、またね」
遠ざかる姿を見送ってフッと息を吐く。
「そこにいるのは誰だ?」
明らかに負のオーラを放つ何者かがいた。
「見つかったーえへ」
「誰だと聞いてるんだ!答えろ!」
「隙あり」
明らかに気配の無い所からズブリと
何かが突き刺さる音がした。
「お、お前達は、一体」
「さぁ、次へ行くぞ」
「ほっほほーい!」
「待て、そこを、通る事は、許さん!」
ふらふらになりながら
やっとの思いで立ち上がった。
「往生際の悪い奴め」
「何事ですか?ああーっ!貴様ら!」
魔術師達が駆け付けると辺りを包囲した。
「観念しろ!!」
「一旦引くぞ」
「ほーい!」
「おのれ、逃がすか!」
「フッ、さらばだ!」
辺りには黒い羽が散らばっていた。
「おじさん!」
知らせを受け、慌てて駆け寄った姿を見つけ
男はホッとしたように微笑んだ。
「無事で、良かった、大丈夫、心配ない」
「おじさん!!」
「救護班!早く!」
辺りはバタバタと忙しくなった。
「まだ何人か侵入してるかも知れない」
「気を付けろよ」
厳重な警備の中、突然それは起こった。
「はーい、お兄ぃさぁーん!」
「誰だ!何処だ!」
「フン、容易いな!行くぞ」
バタバタと人が倒れていく中、ついに
中央部に入って来た。
「ジャヴィラ様」
支えてある柱を破るとキーンと
甲高い音を立てて術式が崩れていく。
「わーお!すっごーい!」
「むっ?!」
「何々、どおしたのぉー?」
緊迫の中、正と負の戦いが始まる。

「お前は、誰だ」
シャリーンと透き通る音がして
目の前に立ち塞がる。
「クックック、まさか余興があるとはな」
「楽しみ楽しみぃぃぃぃぃ!」
しかし、瞳の奥の闇はメラメラと
燃えていた。
「邪魔をするなら、切る!」
「面白い、やってもらおうか」
お互いの意気が高々と上がっていく。
金属音が響き渡り
いつまでも止む事はなかった。