まるで、何もかも飲み込まれるような気がして。
罪悪感だのなんだのはどこかへ消え去ってしまった。
戯言でも、甘く囁かれれば縋ってしまう。
傍にいる資格なんて、微塵もないのに。
緩やかなシーツの波が素肌にふれる心地よさ。
腕の中に閉じ込められる感触。
初めて呼び捨てにされた名前。
その何もかもが宝物のようで。
もうすぐお前はいなくなるから、これは恋なんかじゃないと俺は自分に言い聞かせる。
でも、脈打つ心臓の音がこれは恋なんだと俺を窘める。
次に会う約束なんてとりつけてもいない。
でも、きっとまた逢ってしまう予感がある。