運命

11月26日、実家に帰ると凌にご飯に誘われた。緊張してて何を食べたかも覚えてないけれど、私は大人になった彼をまた好きになっていることに気付いた。同じ人に3度も恋をすることなんてあるのだなとビックリしたし、きっと人生においてこれが最後、とも思っていた。
夜には山に夜景を見に行った。京都はやっぱり遠いかな、と話したら、2時間くらいあっという間だよ、と言ってくれた。彼の気持ちは掴めそうで掴めなかった。好きだけれど、次告白してフラれたら自分って本当にみじめかも、と思った。
送ってくれた際、彼がなにかをいいかけて深夜の街灯待ったけどなにも言わず「また今度言う」と言われ。「明日京都に帰るから」と伝えると少し寂しげな顔をした。お母さんのプリクラを見せてくれた時みたいな表情だった。「明日仕事だから駅まで遅れなくてごめん。本当は送りたかったけど」と、どこまでも優しい人だと思った。

27日、帰り支度をしていると凌から「仕事終わりそうだから駅まで送る」と連絡がきた。私は今日告白しないともうタイミングがない、ダメでもしょうがない、そう思った。凌が迎えにきてくれて、バッティングセンターで時間をつぶして、喫茶店に入ったけど、あまりの緊張とカフェインでトイレに何度もたつ私(笑)
駅についても凌は帰らず、なにやらグズグズしだす始末。19時40分の新幹線なのに19時からなにも話さない凌。私のこと迷惑だったかな?嫌われた?色々錯綜しつつじっと待つ私。
車から降りて「もう行くね」と言うと、「あのさぁ・・・」と彼が切り出す。ああ終わった。そう思ってたら、「抱き締めていい?」とポカーンな一言。驚きつつ「え・・・どうぞ」というと優しく抱き締められました。顔が熱くなりながら「彼氏になってください」と私が言い、「よろこんで」と言ってもらえました。

その日、彼氏彼女になりました。