運命

メールを開くと、それはやはり凌からだった。
手紙、ビックリしたけど嬉かった。いまは岐阜の会社で働いてて実家にまだ住んでること。スマホにしたばかりでうまく文字が打てなくて連絡が遅くなってごめん、と書かれていました。わたしは嬉しくて固まった。

それから数日おきにお互いの近況についてメールするようになった。連絡できたのは嬉かったけど自分がなにがしたいのかはよくわからなかった。京都に住んでいることを言ったら、次いつ帰ってくるの?と聞かれた。

10月、自分の誕生日に地元に帰ることにした。そうしたら凌が「どうしよう、会えるかな」と言ってきました。会ったときに、嫌われたらどうしようとかこれで関係ダメになったらどうしようとかネガティブ全開になりながらも映画にいきました。凌は迎えにきてくれたけどひげが濃くなってて髪も短くて一瞬ヤンキーに見えて涙目(笑)昔は可愛かったのに。
終始凌は無口で何考えてるか分からず、手紙なんか出さなきゃ良かったかなと滅茶苦茶後悔しました。映画のあとカフェに入ったけど目も合わせてくれず。体も腕組んで横向いてるし。男子校みたいな学校だったから女子とどう関わっていいかわからなかったみたいです。

そしてわたしが京都に帰ると「何もお祝いできなかった」と彼自身凹んでました。私に関心がないわけじゃないんだと気付き、それからも連絡はとっていました。

11月、わたしの大学祭があり、お笑い芸人のライヴがあるので「見に来る?」と誘ったら「行く」と言われました。彼は岐阜から2時間かけてきてくれて、大学祭を見に行き、午後は平等院と嵐山にいきました。まだ無口だったけど、喋らないのでなく緊張してるって分かるようになったので居心地は悪くなかった。嵐山では竹林をみたりお土産屋をみたり。河原で座っているといきなり雨が降ってきて私しか傘をもっていなかったので、ふたりで1つの傘に入りました。
晩御飯を食べ、うちまで送ってくれて、離れたくない気持ちになったけれど、遠距離だし、彼の気持ちはよくわからないし、わたしは黙ってた。彼は自販機でコーヒーを買って黙って飲んで「じゃあまた」と言って帰っていきました。