話題:女子会

ネオンの光すらない寂れた街にぽつんぽつんと数件しかない居酒屋がある。そのうちの1軒に昔ながらの友人と飲みに行けば、禁煙席だというやたら広い個室に案内され、たまげた。何人ざっと8人くらい座われる部屋でどうやらその一室しかないらしい。ブランケットみたいなものも用意されており、女の子に優しいお店のようだった。

一杯目は軽くソルティードッグを頼み、二杯目はコーラハイボール、三杯目はストローハットなるもの四杯目はホットチョコミルク( 酒 )五杯目もホットチョコミルクを続けて飲んだ。
三杯目のストローハット時にお茶漬けを頼んでいたため、なにかあっさりしたものが飲みたいと一度も飲んだことがないテキーラベースのトマトジュースを試しに頼んだら「これ、結構酒強くなりますが大丈夫ですか?」と警告を受けた。首を傾げながら「はい!」とやたらいい返事を返したものの一口飲んで後悔した。

「こんな不味い酒飲んだことない!!」

好きな方には申し訳ないと思うが、形容しがたいちょっと若造にはわからぬ味であり大爆笑することとなる。なんだこの不味さはという面白さは伝染し目の前の友人にも飛び火した。

「なんだこれ」

不味くて笑えてくるだろう。友人も大爆笑をしながら膝を何度も叩いて楽しそうだったためよしとして飲み干すことにした。
不味いと爆笑していたとき、ちょうどお茶漬けが届き、まずはこの赤い飲み物を片付けるために無心で飲んだ。目を閉じて舌にギリギリ感じるトマトジュースを追って一気飲みである。あまりのエグさで身体に鳥肌が立つ。そのあと口直しに友達のホットチョコミルクを飲んだらポ○モンパンのチョコ味かシリアルのチョコ味に牛乳かけたものにそっくりでごくごく飲んでたら、くらくらと頭は回っていないのに気持ち悪さだけを感じて、生まれて初めて酒を飲んで吐くかもと思った瞬間だった。

テキーラベースの酒は二度と飲むものかと御門違いの憎しみを抱きながら会計をしたところ「○中だったよね?俺覚えてる?××××って言うんだけど」と声をかけられ、ついさっき個室でレジの彼が来たときどこかで見たことある顔と言っていた親友に「ほら!さっき気づいてたよな?」と聞けば顔を背けられたためまったく記憶になかったが「あー!久しぶり〜」と返しておいた。わたしにはまったく覚えがなく、逆に目の前の同級生はなんとなく見覚えがあるといっていた友人を覚えていないという複雑なことになって何とも言えぬ雰囲気になってしまった…
いや、ほんと誰なのだろうか。

店から出た途端に夜風にきゃあきゃあ騒ぐわけでもなく寒いねえとおじいちゃんのように身を竦め合いわたしと友人は中学時代の黒歴史を思い出し戦慄していた。同級生に会うほどいやなもんはないな。それに尽きるわ。と気持ち悪さも知らないうちにぶっとんでしまったのでそれは感謝しよう。

そして家に着き早速卒アルを開いて名前を辿れば、面影を見つけて納得出来たのだが、待てよ、三年間一緒のクラスになったわけでもなく絡んだわけでもなく話したこともない(当時、なんかチャラそうで苦手なタイプだった)同級生だぞ。

な ん で 覚 え て ん だ ??

凄くないだろうか。
わたしならろくに会話したこともない異性を十年ぶりに見て、思い出し、さらに久しぶり〜と声をかける記憶力も勇気もない。やっぱりリア充そうな大学生(勝手な判断)はコミュ力が半端なく、記憶力も一級品らしい。わたしにはわからぬ世界だった…たまたま前日に卒アルでも見たんだろう。そうだと言ってくれ。

でも、嫌だあと思っていながらも、あんな存在があったのかなかったのか人間がいたことを思い出してくれたことはほんの少し嬉しく思う。すごいな…。

眠気を我慢しながら書くにはつまらぬ内容かつダラダラと長い内容だったと思うが、酔っ払いのよくある要領の得ないおしゃべりだと割り切ってくれたまえ。
ありがとうございました。