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創作ブログ
風が夜を攫ってゆく波に、猫の呼び声は木霊する。降りるよすがの黒い目印を、帳の余韻に変えてゆく。君が言葉を失くしても、同じリズムで眠れるように。ペンが止まってしまっても、紙だけ続いて仕舞えるように。
乱れた湖面に蜘蛛が巣食う。弾けた空がジュースに落ちる。誰かというのはどこにもいない。ひとりだけだ。世界が、どこまでいってもひとつしかないように。
布より空気が体に近い。骨と脂肪がぶつかり合う。いつか眠るために生きている。命は、逆へ進むことを繰り返す。全ての方位を網羅しようとするように。