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274

ひとひらの言葉だけで、感覚に意味が宿る。息をする理由ができる。誰かの手によって創られたものが、その人という存在を圧倒する。創作とはそういうもの。

273

世界が震えているように感じる時、あなたは息をしている。明日に怯える心や昨日を懐かしむ心が、あなたを知らない記憶へと導いてゆく。あの星が幻でも、まぶたの裏の暗闇は宇宙にだって変わり得る。

272

未来は見えないようになっている。これからに納得できるかは、今の場所では分からない。けれどももし未来が分かるようになったとしても、今の場所に納得し続ける以上のことはできない。過去から未来へと流れてゆくこの世界にいるあなたなら、1枚1枚ページをめくる感触が好きなはずだから。

271

宇宙の光と同じ光は、ここにもある。燃えないけれど照らされて、空気と水に包まれながら青く光る。そうしてちらちらと瞬くあなたを遠くからじっと見つめる誰かが、宇宙のどこかに必ずいる。

270

どこか別の街で生きた記憶が、ふいに耳もとで語りかける時。コンクリートに砕ける波の音や潮の薫り、カモメの羽ばたきを、灰色の空の下で愛おしく思う。初めての感情はいつだって、心の奥底から浮きあがってくる。
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