文章なら簡単なのに、目の前にすると誤魔化す癖。
何とかならないだろうか。
本心から言っている事も、真実味がなくなってしまう。
以前程、彼女を思い出して落ち込む事は少なくなった。
それでもやっぱり、ふとした瞬間に辛くなるんだけれど。
会いたいと、今でも思う。
言葉が聞きたい。それが例え、どんな言葉でも。
毎日、たった一言でもいいのに…なんていうのは、やっぱり自分本位なわけで。
苦しさに慣れた、というよりは当初の目的に返ったというのが正しい。
自分を必要としてくれるなら、その人のために。
自分が不要になったなら離れて、必要になったらまた来てくれればいい。
自分が今まで沢山の人に貰ったものを、別の誰かに。
それを忘れちゃいけなかった。
彼女が今は自分を必要としないなら、大人しく身を引こう。
何れ、必要となればまた来てくれるだろう。
二度と会えなければ…彼女は幸せにやってるということだ。
それならそれでいい。
やっと理解できたのか、この馬鹿は。と自分で思う。
最初に戻そう。何もかも。
全部全部、夢にして。
そう、全ては彼女と自分の為に。
いつぶりだ、なんてツッコミはなしで。
また就寝時間が遅くなってる。
私生活に影響が出るくらいに。
考えまい考えまいとする程に、彼女の事を考える。
辛い辛い辛い。
複雑に倒錯する自分の感情に吐き気がする。
誰が好きで、誰が一番で、誰を求めているのか。
一番だと思っていた彼女を、待つと決めた。
会えなくても、話せなくても、いつまででも待つと告げた。
その気持ちは変わらない。
きっと誰よりも愛している。
だからこそ相手の気持ちも、状態も分からないことが辛い。
その辛さから逃れるように、自分を頼ってくる子に精一杯を注いだ。
少しずつその子に惹かれていく事に気付きながら、止めなかった。
元々、もう恋はしないと言っていたその子に、気持ちを告げる事などないと思っていたから。
なのに『好きな子は居るのか』と尋ねられ、言葉につまった。
言ったら今までと同じでは居られない。
言える訳がない。
自分以外の奴に告白されて嬉しかったと言ったその子に、告げられる訳がない。
それに彼女の事は?
定まらない。
苦しい。
こうなる前に離れれば良かった。
全部手放しておけば良かった。
…楽になってしまいたい。