「さきどまり」という不吉な名を持つ交番に勤める権田は、秋葉原をこよなく愛するオタク。コンビを組む向谷は、イケメンでコミュニケーション能力の高さがこうじて、足だけの幽霊を連れてきて…!?ネオンまたたく電気街の裏路地に隠された5つの人情ミステリ。
図書館の新刊コーナーから借りました。お初の作家さんですが、オタクっぽさと、幽霊っていうミステリだけじゃない匂いがして。
権田はトドに似てて私服がチェック率高いオタクで、秋葉原をこよなく愛してる刑事さん。出世せずに先留交番にいるのにも、彼なりのカッコいい理由があって(見た目ではない)。
向谷はカッコ良くてモテモテで社交的はあるんだけど、配属先で何かと女性問題で飛ばされる残念なイケメン刑事。だけど、幽霊が見えるという能力があり、足だけの彼女を見付けて先留交番まで連れて行くのです。
これだけだとコメディっぽいですが、でも本格的なミステリだと思います。向谷はカッコいいけど、頭の回線はあまりよろしくないようで…事情聴取などは権田が活躍します。
足だけの幽霊、足子さん(by向谷)。彼女が幽霊となって、現世に残ったのには理由があって、中盤でガラッとお話が変わるのが見所です。
続編あったら読みたいと思える作品でした。
直木賞受賞!私たちの心の奥底を静かに覗く傑作集。どこにでもある町に住む、盗癖のあるよそ者の女、婚期を逃した女の焦り、育児に悩む若い母親……彼女たちの疲れた心を待つ落とし穴。望むことは、罪ですか?彼氏が欲しい、結婚したい、ママになりたい、普通に幸せになりたい。そんな願いが転落を呼び込む。ささやかな夢を叶える鍵を求めて5人の女は岐路に立たされる。
WOWOWでドラマ化された作品みたいですね。辻村深月をよく読む今日この頃です。まだまだ読みたいのは沢山あります。
『石蕗南地区の放火』は、公有物件の保険事業所に勤める女性と、その女性の地元の消防団員のお話。女性の方もひねくれてる感半端ないんですが、消防団員の方も30代後半でも彼女いないのが納得出来るような印象。
合コンで会って、連絡先交換して、一度デートしてみたけど、女性は後悔ばかり。服装も、車で来たのに、安いからとバスで移動、バスの乗客にいきなり注意し始める…痛い系じゃないか!!その度に後悔ばかりしてる女性も、ちょっと痛い気がする…。
全部で5編あるのですが、全てがちょっとどこか痛い女性なんですよね。なんだかんだ言っても夢ばかり見てる男に依存してたり、育児ノイローゼと睡眠不足で子供が誘拐された?女性とか。束縛酷くてストーカーみたいな彼氏と別れればいいのに別れない高校生も、なんかみんなどこかずれてる。
だからこそ完璧過ぎなくていいのかなと思う。けど、読んでてちょっと辟易する部分も多々あって、好み別れるかな。
童話やアニメの話ではなく、本当に世界中を旅するネコがいます!黒猫の「ノロ」は、2002年から現在まで、飼い主の平松さんと一緒に世界37カ国以上を旅行しました。ヨーロッパを中心にアフリカから中近東まで、美しい風景とノロの写真に、思わずほっこりする旅エピソード(猫エピソード)がぎっしり。ペットと海外旅行をするためのハウツーも満載です。加えて、アートディレクター・寄藤文平氏による装丁も光ります。飛行機も客席(!?)で旅するネコのフォトエッセイ。
あまり普段はエッセイ読まないのですが、ネコにひかれちゃって借りました。黒猫ノロ、可愛いですっ!
飛行機も予約してお金払えば、ネコちゃんも客席で乗ること出来るんですね。体重やネコちゃん入るカバンのサイズに決まりがあるみたいだけど。
エッセイの文章って小説と違って苦手なのですが、これは読みやすい。長すぎないので、少し読むと、写真、また写真なので、カラー写真だけでも楽しめますよ。
海外の動物病院あるあるとか、ちょっと面白いです。ノロが、どこに行っても我が物顔で歩いてたり、ビクビクしてないことにびっくり(笑)ノロのマイペースぶりに、ほっこりします。
ネコ好きさんにどうぞ。
東京に暮らす男子高校生・瀧は、夢を見ることをきっかけに田舎町の女子高生・三葉と入れ替わるようになる。慣れない女子の身体、未知の田舎暮らしに戸惑いつつ、徐々に馴染んでいく瀧。身体の持ち主である三葉のことをもっと知りたいと瀧が思い始めたころ、普段と違う三葉を疑問に思った周りの人たちも彼女のことを考え出して―。新海誠監督長編アニメーション『君の名は。』の世界を掘り下げる、スニーカー文庫だけの特別編。
こちらも会社の人に借りました。なんとも恵まれております、私。ありがたいっ!
三葉を取り巻く人達が、あの瞬間どんな風に三葉を見ていたのかが描かれてています。入れ替わっていた滝と、テッシー、四葉、父親の宮水俊樹。それぞれの視点で、映画のストーリーが進んで行きます。
滝が感じた三葉のギャップ。知らない夢を見てると思っていたからだけど、知らない場所で、滝に入れ替わって学校にバイトまでこなして…意外とファンキーなのに、この町では違う彼女がいる。その違和感を知って、滝がちょっと(かなり?)学校でも三葉がもう少し本音でいられるように画策してたり。
テッシーは…自分がこの町から出られないからこそ、この町を変えていきたいって考えるに終わる(笑)なんかこれといって特別なことなかったような?
四葉はお姉ちゃん、最近おっぱい揉んでるの気になるわーって思ってるし、口噛み酒トリップ的なお話もあって、なかなか楽しめます。
父親の俊樹のお話は、二葉との出会いや、町長になるまでのお話、今の自分だから出来ること、『あるべきところに』の意味を知るまでが描かれてて、あの”説得“はこうやってしたのねと納得。本編では冷たい印象だったけど、心に鍵をかけて感情を出さないようにしてたんだなぁと思ったら、ちょっと可哀想にも思いました。
これだけ三葉の周りが描けるなら、滝の周りも書いて欲しいっ!