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ぶくま

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【企画室】てゆーか一万 *4/2追記

リクエスト閉め切りましたー!!

樋澄さま
ア ルジュ・シチュ執事パロ(アルヴィンが執事)
ということで受付ました!

精一杯頑張って書きますのでしばらくお待ちください。
企画参加本当にありがとうございます!

僕と君、生じた中和反応(AJ*R18webアンソロ企画)


午後4時の夕刻を回った部屋の赤く煤けた中、ジュードは部屋の真ん中に陣取るソファの上で寝る男を見ながら立っていた。



「……」



何を言うでもなく立ち、何を思うでもなく立っている。
ぶーーーん、と狭いアパートの冷蔵庫が低く唸る音と、下校時の子供達が外で喚く声。それだけが聞こえて、それだけだ。
後はしんとしている。
窓が呼吸をして、カーテンを膨らましたり吸い込んだりしてやたらと忙しそうだがやはりそれだけだ。



「……」



ジュードは見る。
何を思うでもなく、何を言うでもなく。見ているだけ。
瞼だけが本来の役割を果たしてぱちり、ぱちりと繰り返し動いてる。
だらしなくぽっかり開いた口にだらんと床に着く腕。手先は軽く曲がっている。
何も掴めない手だというのに、何を掴む気なのかと頭の片隅に考えが湧く。
ジュードはまだ見ていた。
そして一つ息を吸うとアルヴィンの耳元に向かって一言



「何時まで寝てる気なの!!もう4時過ぎたよ馬鹿アルヴィン!」



と叫んだ。
声の限りに叫んだ所為でベランダで羽を繕っていた雀が慌てて飛び去り勢いで抜けた羽毛が飛んだ。



「っくりしたぁ…ジュード、おはよ…」



「おはよう。今何時だと思うアルヴィン」



「何時っ…て」



部屋に再び叫び声が響き、ジュードはこのアパートが出来立てでよかったと思った。
住人はまだ少ないし、みな生活時間が深夜だ。
今の時間騒いだ所で苦情は無い。



「悪い、ジュード!すまん!」



「いいよもう。鍵貰っといて正解だったね」



白衣に片手を突っ込んで鍵をくるくると空いてる手で回す。
少し大きめの白衣はこの間貰ったばかりで汚れも付かず綺麗なままだ。



「で、出かけるんでしょ。ほら起きた起きた。アルヴィンが誘ってきたんだから…」



「悪いって。今ぱぱっと用意するからその辺の菓子でも食っててくれ」



「わかった。早くしてね。」



研究所帰りそのまま待ち合わせ場所に来たというのに一向に現れなかったアルヴィン。彼を待つ間ぼんやりとああ着替えてから来ればよかったなあと思う。
思った所でもう遅いので胸の中に溜まった息を全て押し出す事で誤魔化す。
慌ただしく目の前で動く図体の大きな男はああじゃないこうじゃないと衣類をひっくり返し、狭い部屋はみるみる汚れていく。
整っていたのになぁと眺めているとまた目の前に一つシャツがふわりと舞って落ちた。



「アルヴィン」



「ん?」



金平糖の入った瓶を片手に口へほうり込みながらジュードは言う。



「まだ?」



「後ちょっと……よし。これで何処から見てもデキる男だろ?」



「人を待たせた揚句大口開けて寝てる人のどこがデキる男なのか、僕にもわかるように説明できる?出来るなら確かにデキる男だと思うよ」



にべもなく言い放って立ち上がるジュードに慌てて財布を掴み、背を追いかける。
あの日逆転した立場は今日においてもそのままだった。



「で、どこ行くの?」



「いや、そろそろだと思うけどな。…あ、ほら」



指差した先で夕暮れの黄色み掛かった蒼に染まった街にぽっと、様々な色が燈る。
最初は発光樹だと思った。
だがよく見ると、街の一面に細やかに張りめぐらされた飾りが灯っていた。



「今日で、もう四年だろ」



「ああ…もうそんなになるっけ。」



四年前のこの日、ジュードの旅が終わった。この日を境に両世界は交流を始め、精霊界は反対に遠く、もう二度と関わる事の出来ない場所へと離れていった。
一部の人間だけが知るその事実を、現リーゼ・マクシア統一者であるガイアスは、その日から一年後。この日を祝祭日として暦に刻んだのだ。
赤、橙、緑、青の灯を燈し、精霊への日頃の感謝を捧げる為リーゼ・マクシア中があらゆる色に染まる。
街は浮足立ち、活気のある呼び声が声高に叫ばれ、酒とご馳走とが何処に行っても振る舞われる。
こうして何気なく街中を歩いているだけでも何処からか、砂糖を焦がした匂いがふんわりと空気中を漂っていた。



「おたく、どうせ行った事ないんだろ」



「忙しかったんだ」



「そ。」



自然強張ったジュードの肩を、気軽い調子で撫でてくる。
舗装された道に目線を落としながら、ゆっくりと深呼吸をして気持ちを落ちつける。
アルヴィンの言う通り、ジュードはこの祭に一度も参加した事がない。
最初の年は仕事で。
二年目は気乗りがしなかった。
そして今年。
日付すら忘れて生活していたジュードを連れ出したアルヴィン。その意図が読めないままジュードは暗鬱とした気持ちで歩いていた。



「アルヴィンは、来た事あるの」



「ん?ああ去年な。レイアとエリーゼ姫に誘われてカラハ・シャールの祭に行ったよ。お前さんが来ないっ
て文句言ってたっけな」



「課題に追われてたんだ。二人にもそう言ったつもりだったけど」



「ああ言ってた。仕方ないってな」



「……」



軽く唇を噛んですっかり日の落ちた空を見上げる。
幻想的な光は空の瞬きと合わさり、普段見慣れている街を全く違う光景に見せる。
立ち並ぶ屋台。
飴につけたナップルを手に持った子供が連れだって楽しそうに横を駆け抜ける。
賑やかな街中は一様に楽しさを歌い上げ、気乗りのしないジュードが場違いだと無意識に責め立てていた。



「ジュード」



「ん?」



「あれ。」



アルヴィンの示す屋台には硝子に色をつけた、音の鳴る玉を売っていた。
からんころんと風に揺れる度軽やかな音を立てるそれの中に、朱鷺色と勿忘草色で見事に彩られた玉があった。



「わ…綺麗だね」



「おっさんこれ一つ」



赤ら顔の店主は頷き、簡単に包むとジュードに渡してきた。
とりあえず受けとりながらも、不思議そうな顔で首を傾げるジュードにたっぷりと髭を蓄えた顔で笑い、アルヴィンにウィンクすると彼もそれで応える。
金を払い、その場を離れると一人訳のわからないジュードがアルヴィンに理由を訪ねる。



「え、ねえアルヴィン?これなんで僕が持ってるの?」



「やるよ。」



「え?」



「ようやく嬉しそうな顔したからな。折角の祭なのに変な顔してたら勿体ねぇよ」



その言葉で途端に表情が曇り、アルヴィンには関係ないと刺のついた言葉が口から漏れる。
アルヴィンは肩を竦めただけだった。
終始無言のまま一通り街を歩いた後、二人の足取りは静かに波を打つ音だけが響く海停へと向かっていた。
辿り着いたそこでは祭の熱気も遠く、運行を終えた船が黒い海の中静かに浮かんでいた。



「…静かだね。」



「ああ。今日は酒場も閉まってるからな。」



人気の無い海停の隅の方へ向かい、適当に腰かけるジュードに続いてアルヴィンも座る。
並んでぼんやりと水平線を眺める。微動だにしない風景。
ちらりと横を見ればアルヴィンも同じように眺めていた。
楽の音を運んできた風が潮風となり、再び世界を巡っていく。
現実と夢の狭間に落っこちた気分にさせる此処はひっそりとしていて、波の音と風の音ばかりが囁きあう。
後はたまに、アルヴィンのコートや自分の白衣が擦れる音が聞こえるだけ。



「ねえアルヴィン。アルヴィンは僕の事が今でも嫌い?」



「ああ嫌いだな。」



「そっか。」



澱みなく返ってきた言葉に胸がすく思いでジュードも「僕も嫌い」と返した。
隣でアルヴィンが笑う気配がして、ジュードも口元に笑みを浮かべた。
強く打ち付けた波が白い飛沫になって落ちていくのを眺めながら、ジュードはまた口を開いた。



「僕はね、皆が好きなんだ。」



「へぇ」



わかっている言葉を改めて言っているだけのジュードに、面白そうな声が返ってきて一つ頷く。



「好きにならなければ、好きになってくれないでしょ」



「そうだな。誰も敵意剥き出しの奴を好きになろうとは思わないだろうな」



アルヴィンからの返事にまた一つ頷く。



「うん。だから、好きになってくれる可能性を潰したくなくって。
でもアルヴィンは皆に嫌われる為に生きて来たじゃない。
他人ありきじゃなく、自分ありきの自分。僕は違う。他人がなければ自己を確定する事が出来ないんだ。」



「知ってる。でもお前は俺の事嫌いなんだろ?」



「アルヴィンもでしょ?」



「いや大好きだぜ?優等生。」



皮肉たっぷりに言葉を交わし、二人して声を立てて笑う。
相変わらず海停は静かだ。
時折、波飛沫が顔に掛かるけれどそれ以外は酷く穏やかだった。



「…ん…」



降ってきた唇を避けず受けとめると自分から舌を差し入れる。
驚いたように体が跳ねたアルヴィンに面白がって更にと絡めてみれば舌を吸われ、そこでジュードの負けが決まった。
後はもう、どれだけ抗っても好き放題動く舌に翻弄されるのだ。



「んぁ……ふ、ぅ……ん」



離れそうになる身体を片手で支えられ、しっかりと口を塞いでくるアルヴィン。
唇と唇を互いに味わうように合わせ、啄み、また舌を絡める。
波の音に交じり、波とは違う水音が耳に届く。
唇を離すとアルヴィンはジュードを膝の上に向かい合わせに乗せ、壁にもたれさせる。
くすくすと笑う声が耳に擽ったい。



「外だよ」



「その割に嫌がってないのな。」



「嫌って言えば止めてくれるの?」



「冗談。」



シャツの隙間から手を差し入れ、肌を撫でながら最低限開けさせる。
ひそやかな熱気に、触れた肌が火照っていた。



「ん…っ…ぁ」



「声抑えろよ?…っても人、いないけどな」



「いない、ね…皆お祭りかな」



「だろうなぁ。ジュードくんさえよければ俺達もあっち行く?」



提案してみれば強く髪を引っ張られ、顔を見れば批難を浮かべた目で睨んでいた。
猫を思わせる彼の瞳は鋭く、痛い。
苦笑しながら彼の首筋、鎖骨…と唇を落とし、胸元に吸いつく。
ジュードの匂いが鼻腔いっぱいに広がって理性を犯し、抑えながらも微かに漏れる甘い声に思考を毒される。



「んん……ふ、ぁ…っ…」



「久しぶりだからかな。なんか、我慢効かね…。」



「駄目、だよ。痛いの…好きじゃない、もん」



「…知ってる。」



そうは言っても、とちらりとジュードを見ればとろんとした目でこちらを見ていて、視線が合わされば楽しそうに細められた。
無性に悔しくなり、強く胸の突起を噛めば高い声が響いた。



「馬鹿アルヴィン…!!−ぁっ、駄目、噛まないで…やっあッ」



ぎゅううと強く頭を抱きしめてくるジュードのおかげで、離したくともそこから離れられないアルヴィンは内心笑いながら宥めるように優しく舐める。



「…ぁ…あ、ん……ゃ…あ」



地面に広がる白衣を掴んで口に押し込みながら声をなんとか殺そうとするも、なかなか上手くいかない。



「あ、ぅぅ……っん、ん」



「ジュード、」



「アル、ヴィ…やッ…ひ、ぁ」



性急に進められる事は強い快楽を伴い、耳を塞ぎたくなるような音が自分から聞こえる。
身体の中でアルヴィンの指が暴れ、的確に快楽を強く示す箇所に触れてくる。
進入を拒み、締め付けるそこはもう一本だけでは足りないと疼いている。



「……ん、………ぅ」



入口を別の指で圧迫したり撫でたりする癖に、相変わらず入る指は一本だけ。
経験の多さを伺わせるアルヴィン。だがその攻め方はジュードとの身体を交えていくにつれて方法を変えている事にジュードは気付いていなかった。
アルヴィンは今まで定型文を用いて女を抱いていた。
決まった形、決まった言葉。
それで満足しない女はいなかったから、毎回同じ攻め方をしている事に気付いてもなかった。
だが、ジュードは。



「あ、ぁ……アルヴィ…ッ…」



焦らした所で屈しない。
むしろそっちが大丈夫?といった挑戦的な光が目の奥に灯っている。
元々武術もやっているし、精神がとにかく強いのだ。
根底にある気持ちが頑固なだけに、感情を乱し易いし翻弄され易い。
幾ら手折られようと再び歩き出す力を持っている。
相手に合わせて受け入れながらも自分を保つその姿にアルヴィンは嫉妬していた。
自分は、出来なかったから。



「…っ、挿れるぞ」



「え…っ…ァ…ッ………ぃ、ああ!!」



ジュードと身体を重ねると、毎回その事を痛感し、彼が屈した姿を見たいと色々やり方を変えたりした時期もあった。
今は純粋に彼が悦ぶ姿を見たいというだけなのだが。
身体をしならせて痛みを耐えるジュードを片手で支え、胸元を舐める。
ぞわりとした快楽に身体が再び熱を点す。



「ぁ…あ、あ……ふ、ァ」



「ジュード、あっつい…」



「アルヴィンも、熱いよ…っあ!」



「だから、お前の余裕のある顔が苛っとすんだって」



「ふふ、知ってる…ッ……んんッぁ…!」



強く突き上げられ、好きに身体を揺さぶられるジュード。
それでも気持ちに余裕があるのは何時も彼の方だ。



「ア、ルヴィ…っあ、あ、…や、…ア」



「は…は……」



「気持ちいい…?っン…ぁ…」



「おたくは、どうなのよ。気持ちよさそうだけど」



「気持ちい…よ…っあ……ぅあ…駄、目……も、…出そ……ッ」



「ん、…わかった」



一際風が強く吹いて、二人を包む。
激しくなる律動にアルヴィンの肩を強く掴んだ。



「あ、ぁ…あッ…ああ……アル、ヴィ…アルヴィン……ッ!…ふ、ぁ……あああっ!!」



一際身体に力が込められ、アルヴィンを締め付ける。
ジュードが放った数瞬の後、アルヴィンもまた彼の中へと熱を吐き出した。



「……は、ぁ…疲れた…」



「ケツ痛ぇ…」



「アルヴィンが言うの。僕だって痛いよ。…まあ石畳だしね。そりゃ痛いか。」



ちらりと自分の乗るアルヴィンの膝の下を見てから一人頷く。
篭っていた熱気がゆっくり、ゆっくりと冷めていき、ジュードは白衣のポケットからティッシュを取り出すと簡単に自分を清める。
ゴミは後で近くのごみ箱に捨てればいい。



「アルヴィンはティッシュある?」



「んや、貸してくれ。」



「ん。」



暫く無言で火照った体を冷やしながら、ジュードはまた水平線を見つめる。
相変わらず街の方は賑やかだった。
祭ももうすぐ終わるだろう。結構な時間が経っていた。



「海の向こうってさ」



唐突にアルヴィンが話かけてきた。



「行った事あるけど、こうして眺めてると不思議とワクワクするんだよ」



「うん。…僕も。」



水平線は揺るがず、その向こうに広がる土地は見えない。
初めて行った外国は不安だらけだったが、ラ・シュガルとは違う空気の匂いに驚き、目の醒める思いで看板を眺めたのは記憶に濃く残っている。



「アルヴィン。僕達って面白いよね。」



「面白い?」



「うん。…っわ…わぁ…凄い…」



突然水平線が輝き、空に大輪の花が咲く。
祭の終幕を彩る花火だった。
精霊の色に合わせた色で空に様々な絵を描いていくのを眺めながらジュードは続ける。



「似てないのに、似てるよね。」



「ああ…うん、そうだな。確かに」



「ね、アルヴィン」



「ん?」



ジュードは空を見上げながら話す。
その横顔は明るい色彩に輝いて見えた。



「アルヴィンの嫌いと、僕の嫌いを合わせたら…どうなると思う?」



「…ジュード?」



「どうなると、思う?」



膝に顔を載せ、楽しそうにこちらを見るジュード。
嫌いと、嫌い。
憧れと、嫉妬と、好きを合わせた嫌いと尊敬と、失望と、好きを合わせた嫌い。
その答えはただ一つの愛。





…………………


志輝さまのwebアンソロジー企画に参加させて頂きました!
楽しく書かせて頂きましたー>ω<
相変わらずジュードくんが強い私の文章でこんな天使だらけの企画に参加していいのかぶっちゃけ不安です(笑)
志輝さま、企画ありがとうございます、そしてお疲れ様です!
ありがとうございました!

リンク「狼少年と恋愛中!」
http://ajr18webanthology.web.fc2.com/

僕と糖分と我慢出来ない大人と2(AJ*R18)


「馬、鹿…ッあ…あっ…ん…んん…!」

ぐうっと指が中に入ってくる。
すんなり入ったように思えたのは気の所為か、ああもし気の所為じゃないとしたらそれはきっとあの練乳のおかげだろう。
甘さに酔った頭はアルヴィンへの怒りが残っているも大半は熱に溶けてしまい、ズブズブと侵食されていく。
熱い。
触れられる所が。
口の中ももうからからだ。

「ア、ルヴィ…っ、ぁ…はぁ…ぅ…」

「…わり、も…止まんね」

「ぃ、ぁあああっ…!!く……ぅ、」

内部を突き上げられる感覚に呼吸を一瞬見失う。
ひりつく痛みはすぐに消え、代わりに息苦しさと今にも達しそうな快楽が体の中でせめぎあう。

「あ、つ…ぃ……アル、ヴぃ…アルヴィン…」

「っ、は…」

「ぅ、あ…あ……ああ…」

挿入したまま背中を向ける体制にされ、その背中にまたぬるりとした感触とそれを舐め取る感覚。
ジュードの頭の中はそろそろ限界で、まともな思考力が飛んでいた。
ぼんやりとした意識の中、快楽とアルヴィンの声だけを拾うだけ。

「ア、…ん、ぁ!…ぅ……あ」

揺さぶられる感覚に枕を握って堪える。
鼻孔一杯にアルヴィンの匂いがして此処が彼のベットの上だという事にようやく気付いた。
不思議と落ち着いて、ミルクと砂糖を混ぜた中へと溶かされるようなこの部屋の中で自分の場所を見つけた気がした。

「ぁ、あ、あ……ッ!ア、ル…ぃ…っ…」

「ジュー、ド」

「ぁ……−ゃぁああッ!!」


耳の中が色々な水音を聞く。
ずるりと引き抜けた感覚と背中から降ってくるアルヴィンの声。

「大丈夫か?」

「……ろ」

「ん?」

「お風呂。入れて。気持ち悪い」

寝室から出ていったアルヴィンを目で追いかけて額に手をあてる。
きっと体は今練乳とどちらのとも言えない精液だらけだ。

「…今日ショートケーキ作ったの失敗だったかな。」

アルヴィンはそこまでして甘いものが食べたかったのか。ジュードは深く溜息を吐く。こんな甘い行為は好みに合わない。
互いがわからなくなるようで…アルヴィンの香りがわからなくなる。

「少しはわかってよ」

甘党の彼からしたら好きなのかもしれないが、ジュードにとっては不安の方が勝ってしまった。
それに気付いたのがアルヴィンの枕に顔を埋めたときというのが皮肉で上手く笑えない。

「馬鹿だなぁ…本当。アルヴィンは」

ぎゅうっと胸に枕を抱いてアルヴィンが戻ってくるのを待つ。
仕方がないから明日はピーチパイでも焼いてやろうかと思う。

「暫く苺は懲り懲りだよ。」

と不平を言って、ジュードはふて腐れた顔をして枕に顔を埋めた。

翌日、仕事から帰ってきたアルヴィンを待っていたのは大量に焼かれたピーチパイで、置いてあった書き置きには「二日分のご飯」と書いてあったという。

おしまい

…………………
フォロワりんさんのハピバに捧げます。
遅れてごめんなさい(´;ω;`)
これからも応援しています!

僕と糖分と我慢出来ない大人と1(AJ*R18)


部屋に入るなり目に飛び込んできた光景にアルヴィンは言葉を失った。

「何やってんだ?ジュード」

リビングのソファの真ん中に座る彼はシャツにズボンといったラフな格好でケーキを食べている。
白いシャツの上にぱた、と綿のような白さをしたクリームが落ちて、しかしジュードはそれを気に掛けるでもなくアルヴィンに笑いかけた。

「おかえりアルヴィン。アルヴィンも食べる?失敗しちゃったんだ。」

誘われるがままにジュードに近寄ると先程から自分がそうしているのと同じ様にケーキを片手でむしり、アルヴィンに差し出す。

「はい。」

ジュードの手の平をデコレーションする砕けたスポンジとふわふわとした生クリーム。苺の魅力のある赤が咲くケーキに被りつき、顔についたケーキは手で拭う。

「…甘くないな」

「うん。カロリー控えめのケーキを考えてたんだけど…失敗しちゃったみたいでさ」


ちゅ、と音を立てて指に付着していた残りのクリームを舐め取る。
机の上には12と3の文字盤の間を切り取った形のケーキとホイップの泡を付けたナイフが無造作に転がっている。

「でね?最初はちゃんと切ってたんだけど段々面倒臭くなっちゃって。
でもアルヴィンが食べたのでぐちゃぐちゃのは最後。キリがいいから残りは明日食べようかな。」

「え?くんねーの?」

すっかり残りを貰えるものだと思い込んでいたアルヴィンはびっくりして聞き返した。

「ダメだよ。最近アルヴィン、太ったんだもん。
だから甘党の君の為にカロリー抑えたケーキを考えてたんだけど…食べさせないのが一番だし。」

ジュードは慈愛に満ちた笑顔で厭味をいった。
確かに事あるごとにデザートを頼んでいたし、運動量の減った近頃は思う所がある。
けれど目の前に美味しそうなケーキがあるというのに食べれないだなんて!
打ちひしがれるアルヴィンの目の前でジュードはケーキを片付け、カップの内側がすっかり煤けた色をしているコーヒーカップに新しいコーヒーを注ぎ、アルヴィンにもと大きめのマグカップにいれて持ってきた。

「ジュード、ちょっとくらい…」

「駄目。」

「ケチだなお前」

「アルヴィンが丸くなったら毎日下剤入りのコーヒーを出す事になるんだけど…どっちがいいかな」

「我慢します」

「うんいい子。」

しゅんとうなだれながらコーヒーに口をつけるアルヴィンを横目で見、その丸まった背中を撫でながら苦笑交じりに言う。

「ちょっと我慢するだけなんだから。少し頑張ってよ」

「そんな太ったか?」

「ううん?多分体重にすれば2、3の違いだとは思うけどちょっと気になって。
最近しょっちゅう甘いもの欲しがるからさ。さて」

立ち上がりぐーっと背を伸ばすとジュードは壁に掛かる時計に目を向ける。

「僕そろそろ寝るよ、おやすみ」

「ん、おやすみ。」

ぺたぺたと音を立ててフローリングを歩き、廊下の途中にある寝室へと入る。
着替え、布団に潜ると体を撫でるシーツが心地良い。

「アルヴィンは我慢できるかな…」

考えると楽しい気持ちになり、目が冴えそうになるのを慌てて深呼吸して落ち着ける。
徐々に意識が重くなるのを感じながらジュードは眠りに落ちた。

………………

「……ん…う…?」

鼻に纏わり付く甘ったるい匂いと物音を捉えて目が醒めた。

「アル、ヴィン…え!?なに…っンン…!」


暗闇の中見えたシルエットに声をかけるとそのまま唇を奪われた。
べったりと粘度を持つ甘みが口の中に流れ込み、舌が感じる全てを塗り潰す。
流れの源泉であるアルヴィンの舌が絡まり音を立ててジュードの咥内全てに甘みを擦りつけた。

「ん……は、ぅ…んむ……っアルヴィン!!」

覆い被さるアルヴィンの胸元を押して引き離すと口と口の間を繋いだ糸がぷつりと名残惜しそうに切れる。
晒された肌はどうもべたべたするし、なによりこの部屋中に立ち込めた臭いはなんなのだろう。

「なにしてたの」

「ん?あーいや、冷蔵庫に余りもんの練乳があって、ジュードくんにつけたら甘そうだなって思ってな?」

「練乳は甘いものだから当たり前だよ!なんで僕が…っあう…!ちょ、…馬鹿アルヴィン、離してよ…っン」


寝ている間に愛撫を施した体は火照りきり、脇腹を指で撫でられるだけで体が跳ねた。

「は、ぁ……う…最、低…っ」

「ジュード、美味い」

「アル、ヴィンの馬鹿…ぁ…っや」

「ジュード、ジュード」

「ぅんん……っ!、なに…やだ、そん……えっ、冗談、でしょ!?」

チューブから絞り出した液体をジュードの下半身に擦りつけ、しゃぶりつくアルヴィンに高い声をあげる。
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