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     013.


霧がかった思考は動かずに

回線も涙腺も細胞も

繋がらないまま腐敗して

遊体離脱したように浮かんで

好きな所に行けばいい

正体不明のち行方不明の感情は

気化されて疎外された

何処が痛いかなんて

悲しい振りをしてみたかっただけ

傷付いた振りをしてみたかった

完璧じゃない貴方は安易に私を壊します

     012.


要らない物がたくさん詰まった

重たい箱を引きずって

穴が空いてることにも気付かずに

後ろめたさと一緒に

何周も同じ場所をグルグル回って

頭の中をかき混ぜながら

やるせなさに脱力しながら

また同じ所をグルグルと回ってる

お空の色が変わろうが

地面が音を発てようが

きっと歩いてすらないんです

突っ立ってるんでしょう同じ場所に

お空が落ちてこようが

地面が割れようが

箱の中身が無くなろうが

     011.


今の自分が持っているのは

空っぽの切り取った風景と

脂肪を纏った重たい体だけで

狭い頭の中は一人の人間の事で一杯で

一周回って自分の事で一杯になってる

いっそ腐って腐乱してしまえば

空っぽになって干からびてしまえば

残響も耳鳴りも止んで

絡まったそれも解けて

静かに浮かんでられる

その肉を喰えとは言わないから

一緒に心中してくれとは言わないから

泣いてくれとは言わないから

火葬なんてしないで

経なんて読まないで

その手で埋葬さえしてくれたらば

何一つ残さず全無に浮かんでいられる

     010.


適当に笑って

適当に泣いて

独りきり四角い箱の中に逃げた

気化されていく空気とか記憶を

気付かない振りして棄てた

あの子は不感症の振りをして

可哀想でしょうって

枯れた筈の涙腺に泪浮かべて

赤く腫れ上がった皮膚に爪を立てて

綺麗だねって笑った

また背を向けて気付かない振り

僕は適当に笑って、泣いた

     009.


枯れた涙腺 千切れた回線

捻れた景色を映して遮断して

歪んだ音を流し込んで塞いだ

何が外れて途切れたかも解らない

電極のない回線を繋いで

瞼の裏側で堕ちて浮かんで

形の無い影を焼き付けて追いかけた

ポッカリ開いた穴が広がって

埋めようとも縮めようともせず

耳の奥で絡まって弾けて割れて

曲がった意識の僕を突き刺して

裂けた傷口が笑った
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