AO 大動脈解離 スタンフォードB型

大動脈壁の内膜に亀裂が生じ、そこから血液が中膜の層間に侵入したもの。急性に発症する。
巨大な解離腔を形成するので、解離性大動脈瘤(DA)ともいう。
【原因】
原因不明の中膜壊死や、動脈硬化症による。好発部位は胸部大動脈。
TからV型に分けるド=ベーキー分類と、スタンフォード分類がある。解離が上行大動脈に進展しているものをA型(ドベーキー1.2)、していない(下行解離)ものをB型(ドベーキー3.4)。

スタンフォードA型は緊急手術。つねに破裂、心タンポナーデ、AR(大動脈弁閉鎖不全)心筋梗塞の危険があるため。

スタンフォードB型は、降圧、安静。

【症状】
激痛 胸部から始まり、腰へ。
ショック

【診断】
X線 左第1弓(大動脈影)が拡大
経食道エコー、CT.MRI.DSA診断

【治療】
血圧100(から120)前後

スタンフォードA型は緊急手術(大動脈壁を人工血管で置換)。

気胸

胸壁と肺の間=胸腔内に空気が溜まり、肺が縮んだ状態。男性に多い。
自然気胸は原発性と続発性に分けられる。
原発性…はいに風船のような袋(ブラやブレブのこと)ができて、破裂し肺が縮む
続発性…基礎疾患や薬剤に夜

症状…発症側の胸部の疼痛、呼吸困難感、乾性咳

軽症だとドレナージしなくても安静で治癒することもある
(高齢で低栄養による胸水貯留があったりすると、ドレナージできないこともある)

観察項目…呼吸数、呼吸パターン、呼吸音の減弱、呼吸音の非対称、呼吸苦、共通、肩呼吸、鼻翼呼吸、呼気時の鎖骨上窩陥没、補助呼吸筋の使用、乾性咳、息切れ、チアノーゼ、頻脈、血圧低下、期外収縮、不穏

<気胸のドレナージ>
大胸筋性背側の中腋窩線の第4第5肋間を経由し前腋窩線から肺尖部の位置
先端は胸膜腔の中(肺を覆う臓側胸膜と、肋骨内面を覆う胸膜の間を胸膜腔という)
目的は胸腔内の脱気
吸引圧 −5−15cm H2O
呼吸性移動あり(人工呼吸中はなし)
エアリークあり(排液目的ならなし)エアリークがない時は抜去を疑う

観察
レントゲンで肺の虚脱がないか、肺動脈や肺静脈が見えなくなっていないか

抜去時
医師の指示で呼吸してもらう(吐いて息を止める)


ENBD

ENBD 内視鏡的経鼻胆道ドレナージ
目的:胆汁を体外に出す
固定は鼻翼
胆汁の正常な性状は粘稠性、黄褐色、混濁なし
成人は600ml/日
廃液バッグ内の量、長さ、マーキング部位、刺入部の感染兆候を観察
事故で抜去したら清潔なガーゼで抜去部を圧迫止血
発熱、右上腹部痛、黄疸、意識レベル低下、ショックの合併症に注意

鼻から胃、十二指腸を通って狭窄している胆道を通り胆嚢の中に先端がある
PTGBDと一緒に挿入されてる人もいる
鼻翼のMDRPUに注意 汚染したらテープ(クイックフィックス)交換

PAD

末梢動脈疾患
維持透析患者の4割に合併している。
除水の影響で皮膚が乾燥しやすく、亀裂、ひび割れが起こりやすい。乾燥から痒みを誘発し、掻きこわしてしまうことも。免疫力が低下しているため、創傷治癒が遅れる。尿毒症性物資の蓄積から、免疫に関わる白血球や細胞の働きが悪くなるのが原因。重症化しやすく、感染が骨まで到達(骨髄炎)しやすい。

透析患者の四肢切断は毎年増加している。

糖尿病性腎症

糖尿病性腎症とは
1998 糖尿病性腎症が慢性糸球体腎炎を抜いて透析導入の原疾患第1位になった(出典:日本透析医学会統計調査委員会2021)。最近では糖尿病性腎症の増加傾向が見られなくなったが、腎炎のように明らかな減少傾向はない。

HD
糖尿病患者では透析導入時既に動脈硬化が進行していることが多く、また採血を繰り返したために、静脈閉塞も見られる。そのため内シャントを作製する場合に難渋することが多く、作製後の開存率が低い。透析に必要な血液量が不十分で、透析不足となることもある。
DM性腎症患者は透析導入前に狭心症やMIを 起こしていたり、心機能低下していることがある。透析中に狭心症発作やBP低下をきたすことがある。透析終了直後のBP低下には、DM性自律神経障害の関与も考えられる。

PD
ブドウ糖に代わるイコデキストリンを含んだPD液が使用可能。(バクスターのエクストラニール)
DM性腎症患者に腹膜炎が多いという傾向は内。ただし、出口部感染は多い。
増殖網膜症による硝子体出血が見られる患者では、HDで用いるヘパリンが不要でBP変動の少ないPDが有利。

血糖管理
糸球体から濾過されたGluを尿中排泄させるSGLT2iは、透析患者では効果を期待できない。
最も使用しやすいのはDPP4i。低血糖を起こす心配がほとんどなく、その他の副作用も少ない。

動脈硬化症
特に足壊疽に注意。 

腎移植、膵腎同時移植 
免疫抑制剤が血糖値を上昇させる。内服し続ける。
カルシニューリン阻害薬;シクロスポリン(ネオーラル)
ステロイド;プレドニゾロン(プレドニン) 
など

ぜんじんきょう 2022.11.6
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