まだ疼く傷跡を抱えたまま
今日もまた日常という名の波に飲まれてく
理不尽なこの現実を受け入れきれずに
足掻いてみたり 目を背けてみたりの繰り返し
君からもらった 淡い思い出のかけらは
今もまだこの手のひらに握りしめたまま
そっと君の前から立ち去ろう
2度とその手を煩わすことのないように

雨よ降れ 何も聞こえなくなるくらいに
戸惑いを 悲しみを 全て流し切るまで
雨よ降れ 傷跡をそっと覆うように
いつか澄んだ空気を胸いっぱい吸い込むために

大事にしたいものは山ほどあるはずなのに
実際には君一人の悲しみにさえ手が届かない
いつからか人の痛みにも鈍感になって
何もみなかったふり 感じなかったふりを決め込んだ
誰かの足をこれ以上踏みつけてしまう前に
この美しい道を汚してしまう前に
そっとこの場から立ち去ろう
次にここを通る人が幸せであることを願って

雨よ降れ 何も見えなくなるくらいに
ときめきや喜びに厚いベールをかぶせて
雨よ降れ そっと包み込むように
誰かの傷跡が傘ぶさに変わるまで

雨よ降れ 今を歌え
この雑音をかき消すように
雨よ降れ 今を踊れ
あの横顔に表情が戻るまで
君の心に柔らかな西日が差し込む日まで