17/11/30 22:09 (:ポエム)
風船

あの空めがけて高く放り投げたら
この風に乗って手の届かないはるか彼方へ
飛んで行ってくれるだろうと思うのに
どうしてもこの紐を手放すことができない

幾分か低い位置にある太陽の光を浴びて
チラリと一瞬首を傾げてみせた球体は
どこか儚くてそれでいて恐れ多いような気がして
直接触れて見ることもできない

プカリと中に浮かび
そよ風にすら揺れるその姿を見つめては
目をそらしまた見つめてはを繰り返す
そして、汗ばんだ手をさらにぎゅっと握りしめて
ただ呆然とその場に立ち尽くす



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-エムブロ-