千鳥足で進む帰り道
空き缶を踏みつけて滑って転んだ
誰もいない路地で一人尻餅をつく
今ここがどこで 自分がどこへ向かっているのかさえわからなくなって
「ま、いっか」と開き直ってその場でごろりと寝そべった
アスファルトに残った行き場のない熱気と
顔の上を通り過ぎていく夜風が
やけに心地よい そんな夏の夜
ねえ、君はどんな道を歩いて来たんだい?
楽しいこと 面白いことはあったかい?
もしよければちょっとそこに座って
君の話を聞かせておくれよ
今の僕にはもう立ち上がる力くら残ってないんだ
いつの間にか手の握り方さえ忘れてしまった僕は
今夜も街の光さえ届かない 舞台の裏側で
一人眠りにつく