空と海の青が消えた
お日様と花火のオレンジが消えた
気がついたら
今が明るいのか暗いのかさえわからなくなっていた
誰かの呼びかける声すら雑踏に紛れて遠くから聞こえる
その微かな声に必死に耳を傾けていたら
いつの間にか心に
大きな穴がぽっかり空いていた
口を開いては人を小馬鹿にした
自分の本当の気持ちさえよくわからないまま
ふと我に帰ったら
相手の心に土足で踏み込んでいた
笑って泣いて怒ってがむしゃらに進んだ
なぜか木陰で一休みしながら飲む水はいつもおいしい
ふと顔を上げたら
すぐそばにそっと誰かが立っていてくれた
汗を流すのも転んで膝を擦りむくのも
案外悪くないかって思えた
いつかどこかで
疲れ果てている君のそばに立つ1本の木になりたい
歩き疲れた誰かの木陰でありたい