広まれ 点字メニュー 〜外食、迷うのも醍醐味〜

2018年5月9日掲載 中部経済新聞
2018年5月10日掲載 室蘭民報(夕刊)
【札幌】視覚障害がある人に外食を楽しんでもらおうと、札幌市の自営業佐久間信語さんと点字指導員舟崎美奈子さんが、飲食店の点字メニューを作成している。
目が不自由な人は周囲に気を使い、ゆっくり料理を選べないといい、
「何を食べるのか迷うのも外食の醍醐味(だいごみ)」とボランティアで作業を続ける。?
佐久間さんは2013年、全盲のバンド仲間の男性と訪れたレストランで、点字メニューを知った。
ハンバーグの大きさを凹凸で表したページもあり、「もうニコニコしながら食事をしてるんですよ」と振り返る。?
その後、置いてある店が少ないと分かり、活動に乗り出した。
自らも視覚障害がある舟崎さんは夫の紹介で佐久間さんと知り合い、15年から一緒に取り組み始めた。?
以前から点字メニューの必要性を感じ、友人らに手伝ってもらいながら作成していた。
「点字メニューを置かせてもらえませんか?」?
2人は店に足を運んで提案。
佐久間さんが構成を考えてメニューを読み、舟崎さんが点字タイプライターで打ち込む。?
札幌市役所の食堂やラーメン店、カレー店など市内計17カ所に置いている。
舟崎さんによると、視覚に障害がある人は同行者にメニューを読んでもらっても覚えきれず、たまたま印象に残ったものや普段と同じものを選びがちだという。?
他の人の注文わ聞いて「そんなものもあったのか、食べたかった」と悔やむことも。
市役所の食堂に置いた点字メニューには、弱視の人や高齢者向けに大きめの文字を併記。
サンプルを見られなくてもイメージが伝わるよう「ボリューミー」「健康的」と説明も加えた。
食堂を受託運営する「滝本食品」の中居 香織さんは「店員がサポートすれば食べること自体には困らないが、楽しんでもらうことも大切」と話す。
佐久間 さんらはの目標は100店舗。いずれは行政の支援を受け、ソーシャルビジネスにしたいと考えている。
問い合わせはサンライト・アビリティーズ 佐久間 信語さん、電話090-(1306)-0758
メール info@sunabi.net